フランス、ニースのトラック突入テロで少なくとも84人死亡-欧州に衝撃
- 革命記念日のテロ攻撃で負傷者多数
- 欧州に重い課題、移民への怒り悪化か
パリの同時多発テロから8カ月、フランスをまたも残虐非道なテロが襲った。革命記念日の祝日でにぎわう南仏の観光地ニースでトラックが遊歩道に突っ込むというテロが発生、少なくとも84人が死亡し多数が負傷した。フランスはあらためて動揺し、欧州全土でテロへの警戒が高まった。
テレビや個人の撮影したビデオが、祝日の夜を楽しむ群衆にトラックが突っ込みなぎ倒す様子を伝えた。逃げ惑う数百人にはベビーカーを押す姿も見られた。犠牲者には十数人の子供も含まれた。トラックを運転していた犯人は警察によって射殺された。オランド大統領は予備軍を動員し、解除を考えていた非常事態宣言を延長した。「恐ろしい事件が再びフランスを襲った」と大統領は15日早朝に演説して述べた。
フランスでの大規模テロは2015年1月のシャルリー・エブド襲撃事件以来3回目。11月には同時多発テロで130人が犠牲になった。過去1年半の間にはその他4件の小規模な事件があり、死者数は240人近くに上っている。
6月には米フロリダ州オーランドで銃撃事件があった。欧米では過激派組織「イスラム国」に同調する個人やグループによる暴力行為が相次ぐ。移民問題での不満や政治的支配階級への反感で、社会には大衆迎合的風潮が広がっている。
コンサルティング会社ユーラシア・グループのトップ、イアン・ブレマー氏は「欧州とは何を表しているのか自らが見失っている今、こうした事件は欧州を弱体化させる」とし、「移民への怒りは強まるだろう」と話した。
これまでのフランスでのテロと3月のブリュッセルのテロで、犯人の大半は移民の家系の出身でイスラム教徒だった。ニースでトラックを運転していたのはチュニジア出身の31歳のフランス人男性だったと仏メディアが報じた。仏警察関係者は犯人の名前をモハメド・ラフイジャ・ブフレルと特定した。フランス2テレビによると、警察は犯罪者としてこの男性をマークしていたが、テロリストの警戒リストには載っていなかったという。このテロについて犯行声明を出した組織はまだない。
フランスとベルギーという欧州の中心への攻撃は、欧州連合(EU)のリーダーらに安全保障および政治的な難題を突き付ける。テロリストは自らの行動について、打倒イスラム国を掲げるEUへの報復だと主張している。オランド大統領はニースの事件への対応としてシリアとイラクの「イスラム国」拠点への空爆を激化させると述べた。
「自由・平等・友愛をたたえるイベントがテロの標的になるとは悲劇的な矛盾だ」とEUのトゥスク大統領がツイッターでコメントした。
原題:France in Convulsions as Third Big Terror Attack Upends Hollande(抜粋)
France in Shock as More Than 84 Die in Nice Terror Attack (1)