「おじぎをするのだ。ポーター。」
先輩。なんですか?あのじーさん?
ホテルのポーターにあんな偉そうにして。
「シッ!聞こえるだろ。あの人が今日の講師だよ。」
へーあの偉そうなじーさんがこないだまで欧州で調子にのってたヴ!「バカ!名前だすなよ!聞こえるだろ!」
く、苦しい…
・・・
今日は、本家 黒の組織主催の下部組織を集めた勉強会。
下部組織の悪事の質向上を建前とした本家の窓際族、ローパー社員に仕事を与えることが本当の目的な勉強会。
ベテラン連中からはそう聞いてます。
なんでも講師は毎回、ヒーローにやられちゃった人がくるそうです。
やられちゃうとローパー社員扱いになるんですね。。。
下部組織にとっては迷惑なこの話。
ノルマがあり3名以上の生贄が必要でした。
私はこのしくじり先生みたいな勉強会に興味を持ち志願したんですけどね。
「しかし名前は言わないけどあの人。カチッとしたスーツ着てたな。」
ですね。我々の案内には交流を図る意図もあるためなるべくカジュアルな服装でお越し下さいって書いてあるのに。
「もしかして引っかかっちゃったかなー」
2人ともポロシャツにチノパンのビジネスカジュアルです。
このクソ暑いのにブルースブラザーズみたいな格好しなくて済んだとホッとしてたのに。
「後でチクチク言われるかもしれんな」
それにしてもウェーイ君遅いですね。
もう待ち合わせの時間ですよ。
「場所は分かってるだろうし、先に入ってようぜ。」
・・・
会場に入ると、既にいくつかの下部組織が席に着いており、私たちも受付でネームプレートを受け取り席に着きました。
服装は…
みんなバラバラだな。
黒ずくめ、ノーネクタイ、ポロシャツ、黒いローブのヤツもいます。
こういうの私服面接と同じで空気が読みづらいんだよな。。。
本家の事務局はみんな黒スーツだし。
どれが正解なんだよ。
「チーッス!遅くなりました!」
そこで聞こえる後輩の声
振り返ると受付で揉めています。
「すみません。その格好は。」
「カジュアルっしょ?」
アロハ。短パン。サンダル。
あのアホ。超えちゃいけないライン考えろよ。
「そこまでカジュアルなのはちょっと」
「いないでしょ?できるかぎりカジュアルに決めてきたんス。」
「あなた。周りを見てみなさい。」
「みんな全然ダメっすね。」
「そういう意味ではなくて!」
「あ、すみません。別に他の人をディスったワケじゃなくてカジュアルが足らないってゆーか。」
「そういうコトを言ってるんじゃありません!」
「いくらみんな地味だからってそんなに責めなくてもよくないッスか?かわいそうッスよ?あそこのおっさんなんてポロシャツで頑張った方ッスよ。」
ヤメロ。指を指すな。
「責めてるのはあなたの服装と態度です!!」
「わかります?けっこう攻めたでしょ?」
「いいかげんにしなさい!!!」
「ええ~?何怒ってんの?この人?」
ああ。また本家から怒られる…
・・・
大物講師の登場も
たった一人のアホのせいでおかしな空気となり話の内容は覚えていません。
こってり絞られたウェーイ君は納得いかない様子で勉強会中も
「なるべくカジュアルっていったらできるだけカジュアルっしょ?俺間違ってないっしょ?」
と、しつこくぼやいていました。
日本語って難しいですね。