仏 車突っ込み77人死亡 テロ事件で捜査

仏 車突っ込み77人死亡 テロ事件で捜査
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フランス南部のニースで14日夜、フランス革命を記念する祝日の花火を見物するため集まっていた人たちの中にトラックが突っ込み、これまでに77人が死亡しました。フランスのエロー外相はテロ事件だという認識を示し、検察当局は現場で射殺されたトラックの運転手の背後関係などについて捜査を進めることにしています。
フランスの複数のメディアによりますと、フランス南部のニースで14日午後10時半ごろ(日本時間午前5時半ごろ)、フランス革命を記念する祝日の花火を見物するために集まっていた人たちの中にトラックが突っ込んだということです。これについて、地元の行政機関のトップはこれまでに77人が死亡したことを明らかにし、犠牲者はさらに増える恐れが出ています。

地元メディアは、検察当局者の話として、「トラックはおよそ2キロにわたり人混みのなかを暴走した」と伝えています。また、目撃者の情報として、トラックに乗っていた何者かと警察との間で銃撃戦があり、トラックの運転手は射殺されたと伝えています。地元のメディアが警察関係者の話として伝えたところによりますと、トラックの車内からはチュニジア系の男の身分証が見つかったほか、手投げ弾などの武器が積まれていたということです。

この事件について、モンゴルを訪れているフランスのエロー外相はニースで起きた事件について「テロリストによる攻撃か」という記者からの質問に対して、「そうだ」と答え、政府関係者として初めて事件がテロだという認識を示しました。

マルセイユにある日本総領事館によりますと、これまでのところ、日本人が被害にあったという情報は入っていないということです。フランスでは、14日はフランス革命を記念する祝日で、パリ中心部のシャンゼリゼ大通りで軍事パレードが行われたほか、エッフェル塔で花火が打ち上げられるなど、フランス各地で大規模なイベントが行われていて、新たなテロへの警戒が続く中、厳重な警備体制が敷かれていました。

日本人男性「叫び声飛び交った」

事件当時、現場から1キロほど離れた場所にいたという日本人の男性が、NHKの電話インタビューに応じました。

この男性は、北海道出身の山田晴詩さん(20)で、「花火が打ち上げられている近くのレストランで食事をし、ホテルに戻る途中で周りが騒がしくなった。突然、大勢の人が一つの方向に一斉に走ってきた。涙目になったり、泣きながら逃げている人もいてベビーカーや、皿、レストランのいすも散乱していた。花火が終わってから15分から20分ほどあとのことだと思う」と当時の状況を説明しました。また、「はじめは何が起きたんだろう、という感じだったが、叫び声のような声が飛び交っていて、やばいと思い、逃げることにした。しばらくして、警察や武装した人たちが海の方向に向かって走って行ったので、本当にまずい状況なんだと思った。何が起きたかは、ホテルに戻り、ニュースを見て始めて知った」と話していました。

山田さんが逃げる途中で携帯電話で撮った写真には、子どもを抱きかかえた女性など家族連れを含む大勢の人たちが一斉に走ってくる様子がうつっています。なかには、後ろを振り返っている人もいて、当時の騒然とした様子がうかがえます。

ツアー客の安否確認進める

この事件を受けて、国内の大手旅行会社は、ツアー客の安否の確認を進めています。このうち、阪急交通社は現地の担当者と連絡を取りツアー客全員の無事を確認したということです。また、エイチ・アイ・エスと日本旅行では、現在、現地に滞在しているツアー客はいないということです。JTBと近畿日本ツーリストは現地のスタッフなどと連絡を取りツアー客がいるかどうか、現在、確認を進めているということです。