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【「生前退位」ご意向】宮内庁首脳、春から本格検討 公務削減ご難色が契機

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【「生前退位」ご意向】
宮内庁首脳、春から本格検討 公務削減ご難色が契機

神奈川県の葉山御用邸から車で帰京し、乾門から皇居に入られる天皇、皇后両陛下 =14日午後、東京都千代田区(三尾郁恵撮影) 神奈川県の葉山御用邸から車で帰京し、乾門から皇居に入られる天皇、皇后両陛下 =14日午後、東京都千代田区(三尾郁恵撮影)

 天皇陛下が今年春、生前退位の意向を強く示され、宮内庁首脳が制度改正に向けた検討を本格化させたことが14日、関係者への取材で分かった。ご意向は杉田和博官房副長官を窓口に首相官邸と共有されていた。

 関係者によると、陛下が生前退位の考えを示すようになったのは、東日本大震災があった平成23年から心臓バイパス手術を受けられた24年にかけて。23年12月の誕生日に際して陛下は、被災者への気持ちを文書で示すとともに「今年は先の戦争が始まって70年になります」とつづられた。

 未曽有の災害と開戦70年の節目、そしてご自身の健康問題と向き合う中で、次の天皇に公務を託す意向を示されるようになったという。

 宮内庁は今年5月、高齢となられた天皇、皇后両陛下の公務の削減を発表。公務の全体的な見直しは7年ぶりのことだったが、当初、宮内庁が示した大幅な削減案に天皇陛下は「天皇である以上は公務を全うしたい。全うできないのならば生前退位を考えたい」と難色を示されたことから、見直し案は大幅にカットされ、かねて意向が示されていた生前退位に向けて、宮内庁首脳が検討を本格化する契機となった。

 ■宮内庁長官との主なやり取り

 宮内庁の風岡典之長官は14日の定例会見で、天皇陛下が生前退位の意向を示されたことに関連する質問に答えた。主なやり取りは以下の通り。

 --陛下が生前退位の意向を示されたと報道されている。見解は

 「陛下は憲法上の立場から制度について具体的な言及を控えており、そういう事実はない。公務を行う中で、いろんな考えを持たれることはあり得る」

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