リオ五輪が間もなく開幕する。日本国内では間近に迫った五輪に向けた、出場選手たちの動向が逐次紹介されているが、国内社会全体の関心はどうも4年後の東京五輪に向いているような印象を覚える。もっとも、トラブル続きで「ちゃんとできるのか」という不安の声が多いのではあるが。

 中国メディア・捜狐は12日、リオ五輪がジカ熱や犯罪リスク、インフラ準備不足などの指摘を受けているのとは対照的に、2020年の東京五輪では日本が自慢のハイテク技術を存分にお披露目しようとしていることを伝える記事を掲載した。

 記事はまず、東京五輪開催期間中に「無人運転タクシー」がお目見えする予定であると紹介。選手や観客がスマートフォンで呼んだ無人タクシーを使って会場まで移動する、というシーンが実現する予定であるとした。また、水素燃料電池自動車の研究開発、水素ステーションの建設に巨額の資金を投じているとも説明。選手村のエネルギーを水素燃料電池で賄い、五輪終了後には水素エネルギー供給によるエコ型住宅地として利用される予定だとした。

 さらに、東京五輪ではフルHDの16倍もの解像度を誇る8K映像が本格的に採用される予定であると紹介。また、三菱電機が映像の中を通り抜けることのできる「空中ディスプレイ」の技術を開発したことについても取り上げ、東京五輪でその技術が利用される可能性を示した。そして「リオ五輪が始まる前から東京五輪はすでに準備を進め、多くのアイデアやコストを投じている。そう思うと、より東京五輪への期待が高まった」と評している。

 五輪はもはや単なるスポーツの祭典ではない。もちろんスポーツ選手にとっては目指すべき世界的な大舞台であり、サッカーなどを除くほとんどの種目において世界最高レベルの戦いを見ることができる。しかし、スポーツ競技に関係のない部分が大きく膨張し、種々の議論や問題を生んでいるのが現状だ。東京五輪において様々な技術が世界に向けて披露されるのは喜ばしいことではあるが、五輪はあくまでもスポーツのイベントであることを忘れてはいけない。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:(C)Steve Allen/123RF)