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 南シナ海での中国の権利を否定した常設仲裁裁判所の判決をめぐり、裁判官の人選にかかわった柳井俊二氏を中国が批判していることに対し、柳井氏は14日、朝日新聞の取材に「法律上の手続きにのっとり公正に選んだ」と強調した。

 判決を受け、中国側は5人の裁判官のうち4人は当時、国際海洋法裁判所の所長だった柳井氏が「指名した」と指摘。外務省の劉振民次官が「裁判手続きの過程で影響を与えた」と述べるなど、名指しで批判している。

 だが柳井氏によると、5人のうち2人は裁判の当事国が1人ずつ選べ、フィリピンはドイツ人裁判官を選んだが、中国は権利を行使しなかった。このため、国連海洋法条約の取り決めに基づき、国際海洋法裁判所長だった柳井氏が任命することになり、柳井氏は「紛争当事国でも関係国でもなく、中立的な立場にある」としてポーランド人裁判官を任命した。中国側にも手紙で事前に人物について提案をしたが、返事はなかったという。

 残り3人はフィリピンと中国が協議して決める規定だが、中国が参加しなかったため、取り決めで柳井氏がフランス、オランダ、ガーナの裁判官を指名したという。柳井氏は自身が任命した4人について「有能な法律家で、海洋法の知識を持つ一流の人たちばかりを選んだ」と話した。(鈴木暁子)