(花山)こんなにしやがって…。
あぁ〜!
(美子)あの…。
道具はどこだい?道具?金づちやらの大工道具だよ。
大工さんなのに持ってないんですか?いいから持ってきなさい!はい!アイタタ…。
(釘を打つ音)・「普段から」・「メイクしない君が」・「薄化粧した朝」・「始まりと終わりの狭間で」・「忘れぬ約束した」・「花束を君に贈ろう」・「愛しい人愛しい人」・「どんな言葉並べても」・「真実にはならないから」・「今日は贈ろう」・「涙色の花束を君に」・「涙色の花束を君に」はい。
はい。
おいおい気を付けろ。
はいすみません。
はい。
はい。
はぁ…。
はぁ〜。
屋根裏の方も塞いどいたから。
ありがとうございます。
助かりました。
なんて事だ…。
ちゃぶ台が傾いている。
言われるとそうですね…。
今まで気にならなかったのか?最近いろいろ忙しくて…。
えっ?これもやってしまおう。
いいんですか?「乗りかかった船」だ。
ありがとうございます。
(君子)白湯しかありませんけど休憩なさって下さい。
結構。
まだ終わってませんので。
ちゃぶ台も直して下さるんだって。
そんな申し訳ないですよ。
ついでですから。
でも…。
ではせめてものお礼に夕飯ご一緒にいかがですか?それも結構。
ご遠慮なさらず。
家で妻が用意してます。
お気持ちだけで。
そうですか…。
私の事は放っておいて下さい。
やっぱりお上手ね。
はい。
はぁ…。
(君子)そうそう鞠子どうしたって?闇市でいろいろよくして下さる方がいて今日もその方と一緒に雑誌を売ってくれるお店を探してます。
そう。
僅かでもその売り上げが我が家の収入源だからねえ。
次に出す雑誌はきっと売れるわ。
あの…何とかさんが手伝ってくれたら…。
(君子)花山さん?はい。
はい…はいはいはい!そう。
その花山さんの力で「スタアの装ひ」が売れるようになるってとと姉ちゃん言ってたわ。
(君子)でも常子が昨日お断りされたって。
ええでも絶対に諦めないって。
だけど大丈夫かしら?とと姉ちゃんの話を聞く限り偏屈そうな人のようだし…。
(金づちの音)
(常子)ただいま帰りました。
・
(君子美子)お帰りなさい。
どうだった?見つかった?小銭入れ。
ううんどこにもなかった。
昨日歩いたとこ全部?うん。
明日は花山さんのお店に行ってみようと思います。
そうね…。
・ごめんください。
は〜い。
いやぁ遅くなって申し訳ない。
どちら様ですか?えっ?いやぁ雨漏り直してやってほしいってせつさんに頼まれた大工ですけど。
へっ?えっ?いや…大工さんなら先ほどいらっしゃいましたけど。
さっきまでいて天井もちゃぶ台も直していってくれました。
はぁ〜。
それあっしじゃねえけど直ったんなら万事めでたしめでたし。
それじゃあ。
どうも…。
さっきまでいた大工さんって…。
・あぁ〜!どうしたの?常子?これ私が捜してた小銭入れ。
あ…さっきまでそこにはなかった気が…。
さんざん捜したからこんな所にあるはずないのに…。
えっ?じゃさっきの大工さんが置いていったの?ねえ…。
よっちゃんその大工さんってどんな人だった?いい人よ。
ちょっと偉そうだったけど。
はっきり物を言う人だったわねえ。
すごくどなられた。
それ…きっと大工さんじゃない。
花山さんだ!えっ!?どうしようどうしよう…。
花山さんに直させたんですよね?私…偏屈でおっかない不気味な顔って言っちゃったわ。
あ〜っ!私が大工さんと勘違いしたから…。
ちょっと…かか〜!どうしたもんじゃろ…。
ただいま。
(三枝子)お帰りなさいませ。
(茜)お帰りなさい。
うん。
お疲れのようですね。
ああさんざんな目に遭った。
誰か来てるのか?
(三枝子)ええ。
お〜!
(長澤)おう!長澤!わざわざ出向いてくれたのか。
なかなか返事をくれんから待ちくたびれてな。
すまない。
近々連絡を取るつもりではいたんだ。
手土産だ。
どうだ?ああ。
事業の件考えてくれたか?無論。
学生時代優秀だったお前の事だ。
すぐ戦力になると思う。
頼む。
うちに来てくれ。
そう言ってくれるのはありがたいよ。
珈琲屋の上がりだけで家族3人暮らしていくのは実のところ厳しくてね。
じゃあ…来てくれるのか?ああ。
よろしく頼む!乾杯!乾杯!
(雨の音)回想
(君子)僅かでもその売り上げが我が家の収入源だからねえ。
次に出す雑誌はきっと売れるわ。
あの…何とかさんが手伝ってくれたら…。
私はどうしても女の人の役に立つ雑誌が作りたいんです。
毎日の苦しい暮らしに少しでも明かりを灯せるような雑誌を作りたいんです。
はぁ…。
そんなに落胆しなくても…。
(鞠子)花山さんも許してくれるわよ。
花山さんにはただでさえ印象がよくないの。
雨漏り修繕させたとなると…。
あぁ…。
(三枝子)・「よくわかる」・「リンゴ可愛いや」・「可愛いやリンゴ」やっと眠りました。
随分痩せてるな。
しかたありませんわ。
毎日三食食べられる訳ではないですしずっとお芋ばかりですもの。
寝ないのか?玄米が少し手に入ったので瓶づきしておこうと。
こんなでも暮らしは暮らしですから。
(水田)なんとかお願いできないでしょうか?
(2人)お願いします!う〜ん…分かったよ。
水田さんの頼みだ。
その額で雑誌置いていいよ。
ありがとうございます!
(2人)ありがとうございます!本当にありがとうございます!いやいやそれほどの事じゃ…。
本当に何とお礼を言ったらいいのか…。
当然です!ごめんください。
(関元)おやまた来たね。
あの…花山さんは?ああ腰が痛いってね休んでる。
マスター常連さんだよ。
君か…。
大丈夫ですか?あの…腰は…。
大した事はない。
ちょっと張っただけだ。
やはり昨日は…。
ああ。
小銭入れを届けに行ったらなぜか大工仕事をやるはめになった。
やっぱり…。
申し訳ありませんでした!ありがとうございました。
母と妹が大変感謝しておりました。
え〜…今日はおわびとお礼に伺っただけですので失礼します!
(花山)手伝う事にした!えっ?雑誌の件だ!嫌ならいいぞ。
えっ?でもどうして…。
私が手伝わないと君ら家族は死んでしまう。
放っておけば1冊目のようなひどい雑誌を作るだろう。
売れる訳がない!売れなきゃどうやって飯を食う?でももう二度とペンは握らないって…。
ゴチャゴチャ言うならやめるぞ。
あっごめんなさい。
私がペンを握る訳じゃない。
実際に動くのは君たち3人。
それに次の号だけだ。
売れた分からそれなりの報酬は頂くぞ。
私だって家族を養わねばならん。
でも売れるかどうか…。
必ず売れる!君の親孝行を少しだけ手伝ってやるだけだ。
はい。
よろしくお願いします!2016/07/14(木) 12:45〜13:00
NHK総合1・神戸
連続テレビ小説 とと姉ちゃん(88)「常子、花山の過去を知る」[解][字][デ][再]
君子(木村多江)たちが花山(唐沢寿明)を大工だと勘違いし、常子(高畑充希)は説得に失敗したと落胆する。しかし、花山は編集と無縁な仕事に誘われちゅうちょしていた…
詳細情報
番組内容
常子(高畑充希)はがく然とする。君子(木村多江)たちが花山(唐沢寿明)を天井の修理に来た大工だと勘違いしてしまったのだ。その日、花山は学生時代の友人から開発事業に誘われ、「女の人の役に立つ雑誌を作りたい」といった常子の言葉がよぎる。このまま編集の道に戻らないでいいのか自問する花山。翌日、常子は財布を届けてくれたお礼と大工と間違えてしまったおわびに、三度喫茶店を訪ねると、花山から予期せぬ言葉が来て…
出演者
【出演】高畑充希,木村多江,相楽樹,杉咲花,奥貫薫,伊藤淳史,寺田農,唐沢寿明,【語り】檀ふみ
原作・脚本
【作】西田征史
音楽
【音楽】遠藤浩二
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
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日本語(解説)
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