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【首都スポ】

藤代コールド発進 3、4番の立松ツインズが活躍

2016年7月14日 紙面から

日立工に勝利し、応援席へのあいさつに駆け出す藤代ナイン=水戸市民球場で(武藤健一撮影)

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◇高校野球茨城大会 藤代11−1日立工

 第98回全国高校野球選手権(8月7日から15日間、甲子園)は13日、茨城大会で、優勝候補の藤代、霞ケ浦が初戦を突破した。双子の立松由宇捕手・峻一塁手(3年)が打線を引っ張る藤代は11−1の6回コールドで日立工に快勝。連覇がかかる霞ケ浦は、昨夏4番としてノーヒットに終わった根本薫外野手(3年)の雪辱の夏がスタート、中盤まで苦しみながらも3−0で水戸一を振り切った。

 弟が2回に先制につながるヒットを打てば、兄が3回に追加点演出打を左前に落とす。弟が中犠飛で打点を挙げれば、兄も同じく中犠飛。藤代の3、4番を打つ立松ツインズが仲良く1打点ずつで快勝。兄で主将の由宇が「チャンスで犠牲フライ。強振しないで余裕があったのはさすが」とたたえれば、弟の峻は「力が入っているように見えると言ったら、力を抜いてヒット。対応力がすごい」と返した。

 中学時代は柏シニアでプレー。今もチームメートの3年生左腕の小川とともに東関東大会で4強入りもした。中学3年の冬、立正大を経てドラフト2位でロッテに入団した先輩の吉田裕太があいさつをかねて激励に来た。木製バットのロングティーで軽々と外野を越えていく打球に目をみはった2人には最高の刺激になった。菊地一郎監督(46)の指導で定評がある公立の藤代で甲子園に行こうと、小川らとともに進路を決めた。

 「ゆう」「しゅん」を合わせて「ゆうしゅん」。芥川賞作家の宮本輝原作で映画にもなった「優駿」からのイメージだという。小学校1年夏に野球を始めたときから2人一緒に切磋琢磨(せっさたくま)しながら駆け抜けてきた。由宇が「飛ばす能力では勝っている」と胸を張ると、峻は「勝負強さだけは負けない自信がある」とライバル心ものぞかせる。

 5年前の夏の甲子園でチームは、徳島商に1−3で初戦敗退。このときから全国で打ち勝てる野球を目指してきた藤代で自慢の3、4番になったのが立松兄弟。菊地監督は「きょうはバッティングもさることながら、走ることも積極的にやってくれた。最後の夏にかける思いがプレーに出ていてよかったと思う」とほおを緩めた。

 ともに剣道2段。松飛台小時代には、日本武道館で行われた全国大会にそろって出場したこともある腕前。高校野球の聖地・甲子園でも大暴れしたい。昨年11月に肘を手術した峻は「悔いを残さない夏にしようと話し合っています」。2月5日の“双子の日”に生まれたザ・ツインズが、竹刀をバットに持ち変えて、2年前はアルプス席から応援した甲子園の大舞台にこの夏に立つ。(小原栄二)

 藤代の2年生右腕・伊藤が投打で勝利の立役者となった。夏の初戦の先発投手を任され6イニングを3安打1失点。7番打者としても先制打など2打点。「藤代の背番号1をもらってプレッシャーもありましたが、それに恥じない投球をしようと思った」。制球力の良さが持ち味で、スライダーと直球を軸に7三振も奪った。

 中学時代は投手だったが、藤代では内野手になっていた。投手陣のコマを増やすために今春の練習試合でテスト登板したときの「投げっぷりの良さ」を菊地監督が高く評価。5月の終わりからの急造で「夏の緊張感もあるので心配もしたが杞憂(きゆう)に終わった。伊藤が先制を打ってウチのペースになった」と投打のヒーローに挙げた。

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