強烈な一撃で一蹴した。白鵬は立ち合い、左手を栃煌山の顔前にかざすと、すかさず右かち上げを見舞う。そのまま左四つで捕まえて寄った。「昨日、横綱を倒して金星を取って、乗っていますからね。厳しくいこうと思って」。夏場所では何度も繰り出した“宝刀”を今場所初めてさく裂させ、悠々の4連勝。鼻血を出す栃煌山に、土俵下の友綱審判長(元関脇魁輝)が「横綱が一生懸命工夫しているのに、他の人たちは工夫がなさすぎ」と指摘するほど、何もさせなかった。
前夜はモンゴルの祭り「ナーダム」のモンゴル相撲大会で、1歳年上の友人が優勝して横綱になった。朝稽古では野球界のレジェンド、山本昌氏が訪れ「もう10年、綱を張って頑張ってほしい」と激励されるなど発奮材料も多い。完勝で通算1000勝まで残り1ケタとし「おおきに。まいど」と関西弁でおどける余裕もあった。
白鵬のかちあげに鼻血をこぼして敗れた栃煌山のコメント かちあげは来ると思ったんですけど。手を前に出してきたんで、少し体が止まってしまった。