埼玉の母子放火殺人で無罪判決取り消し

埼玉の母子放火殺人で無罪判決取り消し
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8年前、埼玉県志木市で自宅に放火して妻と長女を殺害したとして42歳の当時の夫が放火や殺人の罪に問われた裁判で、東京高等裁判所は「被告が放火したことを相当程度疑うことができる」として1審の無罪判決を取り消し、裁判員裁判をやり直すよう命じました。
8年前、埼玉県志木市の住宅が全焼して33歳の妻と4歳の長女が遺体で見つかり、当時の夫の山野輝之被告(42)が放火や殺人などの罪に問われました。1審の裁判員裁判では火の出た時間が被告が外出したあとだったかどうかが争われ、さいたま地方裁判所は模擬の家屋を使った燃焼実験や近くの防犯カメラの映像をもとに「外出後に別人が放火した可能性を否定できない」として無罪を言い渡し、検察が控訴していました。

14日の2審の判決で東京高等裁判所の植村稔裁判長は「燃焼実験は家屋の材質などが同じとは言えず、再現性が認められない。風の強さも1審の認定とは違っていたと考えられる」と指摘しました。そのうえで、「防犯カメラの映像から被告は火の出た時間と近い時間に自宅を離れていて、放火したことを相当程度疑うことができる」として1審の無罪判決を取り消し、火事の状況についてさらに調べるため、裁判員裁判をやり直すよう命じました。