今、ハクは黒を自分の体に封印しようとしている。
もう二度と黒が出てこれないように完全に封じるつもりだ。
そうなれば、黒も間違いなく同じことをハクにしてくるだろう。

明日の朝残っているのは、ハクか黒のどちらか一人だ。

それを知った時、自分の馬鹿さ加減をこれほど呪ったことはない。
ハクは、これほどの危険をおかしてまで私を助けようとしているのだ。
それなのに私は一体何だ。
今までの私の流した涙や感情などひどく安っぽいものに思えた。

今、外にいるのは私とハクの二人だけだ。
サン、ユエ、ソラの3人は依代に避難している。
あまりにも危険だと判断したからだ。

私にできることは、最後までハクについていることだ。
こうする以上、私もただではすまないだろう。
明日の朝生きているか、黒に○されているあるいは精神崩壊のどちらかだろう。

それでもいい。

もう黒などどうでもいい。

ただ、ハクと最後まで一緒にいたい。