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 南米ベネズエラとコロンビアの両国は30日までに、双方の大使を自国に呼び戻したことを明らかにした。ベネズエラのマドゥロ大統領が国境を封鎖したため、急速に関係が悪化。ベネズエラ側はコロンビアの密輸組織の掃討を掲げ、コロンビア人住民に国外退去を指示しており、少なくとも8千人以上が国外に逃れる事態になっている。

 報道によると、封鎖されたのはベネズエラ西部タチラ州の国境の一部。同地では両国民が自由に行き来してきたが、コロンビア向けのガソリンなどの密輸が問題化。19日にベネズエラ軍兵士が、密輸組織とみられるグループから銃撃されたため、マドゥロ氏が治安回復を目的に国境封鎖を決めた。21日には非常事態を宣言し、軍を派遣した。

 ベネズエラ当局は同地に暮らすコロンビア人の摘発も開始。スペイン通信によると、29日までに1097人が国外退去させられ、7162人が迫害を恐れて家や土地を捨て、コロンビア側に逃れており、人権侵害の懸念も高まっている。国境周辺は家財道具を運ぶ人々であふれ、コロンビア側は臨時の避難場所をつくって対応している。

 多くは密輸組織とは無関係と見…

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