トランプ氏の正式指名前に共和党内の分裂深刻

トランプ氏の正式指名前に共和党内の分裂深刻
アメリカ大統領選挙に向けて、共和党の候補者を正式に決める党大会が来週に迫るなか、歴代の共和党政権を支えた主流派の元閣僚らはトランプ氏を支持せず、対立候補のクリントン前国務長官への投票も示唆するなど異例の事態となっています。
アメリカ大統領選挙に向けては、来週、共和党の党大会が開かれ、不動産王のトランプ氏が正式に大統領候補に指名される見通しです。

これを前に、共和党の主流派でブッシュ政権で国土安全保障省の長官を務めたマイケル・チャートフ氏が13日、NHKのインタビューに応じ、トランプ氏について、「われわれは衝動的で怒りに任せ、人々を威圧することを大統領に求めておらず、あらゆるアメリカの政策という観点からも間違っている」と述べて、大統領にはふさわしくないという考えを示しました。そして、「外交政策に一貫性がなく、われわれが直面する課題や脅威を前に、彼が示している原則は極めて問題だ」と述べ、外交姿勢や移民政策などに問題があると指摘しました。

また、元環境保護局長官のクリスティーン・ホイットマン氏も「トランプ氏はアメリカや民主主義にとって危険で、女性を嫌い人々の恐怖をあおっている」と厳しく批判しました。ホイットマン氏や知日派として知られるアーミテージ元国務副長官など複数の元高官や閣僚経験者らはクリントン氏への投票も示唆しており、党大会が目前に迫るなかでも、なお共和党内の深い亀裂が露呈する異例の事態となっています。