クローズアップ現代

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No.36112015年2月4日(水)放送
“分断”の危機は避けられるか ~仏テロ 広がる波紋~

“分断”の危機は避けられるか ~仏テロ 広がる波紋~

ドイツに広がる移民排斥の動き

「われわれこそがドイツ国民だ。」

1万5,000人が参加した、移民排斥を訴えるデモです。
フランスのテロ事件以降、イスラム系の移民が社会に脅威を与えているとして、回を追うごとに参加者は増えてきました。

「重要なのは、ドイツはドイツ国民のための国家だ。
(移民は)私たちの寛容さにつけ込んでいる。」

これほどあからさまに反イスラムを訴えた運動は例がありません。
ナチスによるユダヤ人虐殺の歴史を背負うドイツでは、戦後、特定の民族や宗教を排斥する言動や活動はタブーとされてきたからです。


デモ参加者
「300人から始まったデモがこれだけ大規模になったのは、多くの人が不満を抱えている証拠です。」




デモを取りしきる幹部は、ヨーロッパの価値観に同調しないイスラム教徒は今こそ締め出されるべきだと訴えています。

イスラム系移民排斥運動 幹部 シルビオ・ルスラー氏
「世界で唯一問題のある集団がイスラム教徒なのです。
彼らはどの国に行っても自分たちの宗教を強要しています。
すべてのヨーロッパの国に排斥デモを広げたいと考えています。」

こうした過激な主張が、これまでデモに関心のなかった市民の間にも広がり始めています。
ティロ・ブレットシュナイダーさんです。
毎週デモに参加しています。

ティロ・ブレットシュナイダーさん
「イスラム教徒は近隣住民と交わろうとせず、周りに溶け込もうとしません。
私たちに同化しないならば、ドイツで暮らすことはできません。」

自動車整備工場を営みながら、4人の子どもと妻と暮らすブレットシュナイダーさん。
自分の税金が移民の社会保障などに使われるのは納得できないと考えてきました。

ティロ・ブレットシュナイダーさん
「移民はドイツで生活保護も受けています。
彼らの母国でも貧困層には経済支援があるだろうに、ここに一体何をしに来たのでしょうか。」

そして先月(1月)、隣国フランスで起きたテロ事件。
移民とは共存できないとの思いは確信に変わったといいます。

ティロ・ブレットシュナイダーさん
「イスラム化は着実に進んでいます。
今後この傾向は顕著になるでしょう。
親である以上、子どもたちの未来のために何かをしなければならないのです。」

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