中国からの経済的報復や軍事的対応を懸念する声も広がっている。中国は韓国によるTHAAD配備決定を受け「相応の措置を取る」などと公言しているため、その対策も同時に進めていかねばならない。しかし周辺国の報復を恐れるあまり、最低限の防衛さえ怠っているようでは国を守れるはずなどない。
このようにTHAAD配備をめぐっては無用な混乱が広がっているが、これは政府にも大きな責任がある。ここ2年間、政府はTHAAD配備に関しては常に受動的、あるいは守りの姿勢を取ってきた。これが今になって数々の誤解やデマを生み出す原因となっているのは否定できない。政府はTHAAD配備こそ北朝鮮の核兵器とミサイル廃棄に向けた避けられない選択であることを堂々と主張し、はっきりと説明すべきだ。
韓米両国は来週中をめどに、実際に配備される地域を正式に発表する計画だという。今後重要なことは、根拠のないデマの拡散を抑えると同時に、非生産的な論争を一日も早く終わらせることだ。国の非常事態とも言える状況で、国民を扇動し自分たちの政治的な利益ばかりを考える政党や政治家に対しては、必ずその代償を払わせなければならない。