あらすじ:高校生でボーイスカウトのベン、カーター、オギーはクラブで女の子と遊びたくて仕方がない。ある日、キャンプを抜け出してパーティー会場へ行く途中、なんとゾンビ化した住人たちが襲ってきた! 間一髪のところを美人ウエイトレスに助けられた3人は、ボーイスカウトで 身につけた様々なワザを駆使して、一致団結しようとするのだが…。(Amazon)
製作国:アメリカ 上映時間:93分 製作年:2015年
監督:クリストファー・B・ランドン
キャスト:タイ・シェリダン / ローガン・ミラー / ジョーイ・モーガン / セーラ・デュモント / デヴィッド・ケックナー / ハルストン・セイジ / クロリス・リーチマン / パトリック・シュワルツェネッガー 等
ライトで笑えるゾンビ映画の良作!
なんとなく面白いぞという声はいくつか聞いてて、気になっていたゾンビ映画【ゾンビワールドへようこそ】をレンタルで鑑賞。
というかこの色気のないシケたタイトルは何だよ!?センスねぇだろ… 作品の感想は、
面白かったしくだらねぇし好き!
ゾンビ映画って『当たり』な作品に出会うことってなかなか少ないし難しいんだけど、これは素直に面白かった!しかも色んな人にオススメしやすいライトさ。いや!…下ネタ嫌いな人にはちょっとNGかな。さすがに家族では観れないかも。
高校生になっても未だにボーイスカウトをやってるイケてないボンクラ3人組が、突如街に現れたゾンビ達と対峙する。幼い頃から培ったボーイスカウトのノウハウを駆使し、DIY精神で立ち向かう青春ゾンビコメディだ!
ノリとしては完全にコメディで、そのくだらなさと下ネタ上等のユルいスタンスが最高!オーソドックスなゾンビ映画やホラー映画のオマージュも入れつつ、危機的状況下でも携帯で写真撮ってSNSにアップするような現代っ子特有のアレンジも効いてて、痒いところに手が届く分かってる監督さんが撮った作品という印象。もちろんゾンビ映画ならではのスラッシャーもちゃんとやってるぜ!
本作、恐怖や危機状況とは別腹というか別のベクトルで動く『思春期』ならではの思惑、ヤりたい話・オッパイやらパンティなどドギツくならない思春期描写をちょくちょく挟んで来るので、学生時代に拗らせた男は思わずグッと来てしまう。
↑ オッパイに目が行っている写真がこの作品を物語ってます。
あのゾンビ映画との共通点&こだわり
図らずも本作のゾンビの特徴が、日本産ゾンビ映画の良作【アイアムアヒーロー】に通じている。
感染してもその人の記憶が残り、場所やそれぞれの職業に囚われて行動する習性。それが話の展開にも部分部分でちゃんと活かされてて良かったですね。こっちが行かなくても肝心なゾンビは向こうからやって来る。設定として上手いな。
あと、これは特典映像で観たんだけど【アイアム・レジェンド】や【ワールド・ウォーZ】のゾンビの演技指導を手掛けた有名な振付師が本作も手掛けてたり、
ゾンビメイクも【アイアムアヒーロー】程はクオリティは高くないけど、まだ全然動ける『感染したてのゾンビ』加減をちゃんと意識して作り込んでいる。
ゾンビそれぞれに個性を出したり、噛まれた傷が必ずどこかにあるとか、血管の浮き方はちゃんと医学的に基づいて描いてるとか、さり気無いこだわりを見せる。観ている最中にそれに気付くかって言われたら気付かないんだけど… そういうこだわりは好感が持てる。
良かったところ/好きなところ
タイトルが出るまでの完璧なオープニングの流れと、その後差し込まれるクソダサい『ボーイスカウトの勧誘動画』の出来が良くて、冒頭から観てて気持ちがイイ!
童貞を意識する思春期と別にやっててモテる訳じゃないボーイスカウトとの狭間で揺れ動く、3人組がゾンビパニックを通し友情を確かめ合い成長していく。中でもありがちなホームセンターで武器をこしらえる展開、手作り装備した姿はさながら【ゴーストバスターズ】みたいでアガった!
あとは、ちょっとした活躍を見せた時に食い気味にダーーーン!!!的な良さげなBGMが流れるクドい演出や、しょうもないスローモーションの使い方、ゾンビのアレで助かるくだりとか楽し過ぎる。ちゃんと分かりやすい青春映画なりのカタルシスを用意してくれたのもGOOD!
魅力的なメンツとキてる主演俳優
ボンクラ3人組のバランスが絶妙。真面目な主人公のベン、ルーズな着こなしでやんちゃなカーター、ボーイスカウトオタクでデブキャラのオギー、その3人を統括するおじさんのロジャースリーダー。イイ人なのにロジャースの扱いとかかなり酷い!でも美味しい役です。
それとボンクラ3人と合流するホットな歳上美人のデニース。完全に狙った豊満ボディにタンクトップ姿とか堪らん。
この手の映画に必須な『リア充でいけ好かないイケメン野郎』を演じるのはシュワちゃんの息子パトリック・シュワルツェネッガー。いけ好かなさがハマり過ぎて全然気付かなかった。
話が前後しちゃうけど、主役のベンを演じたのはタイ・シェリダン。彼のこと調べたら【MUD -マッド-】の主役のあの子とか、最近だと【ダーク・プレイス】にも出演してたり、公開を控える【X-MEN:アポカリプス】では若きサイクロプスを演じてるらしいです。別にイケメンってわけじゃ無いけど、味のある顔を活かし色々な場で活躍が期待できそうな俳優さんですね。
面白いだけに1つ残念な点
ただ諸々出来が良いだけに、1つどうしても残念な点が。3人組の1人やんちゃなカーターが顔面にゾンビの血を浴びまくってるのに、全く感染しなのはダメでしょ!? 逆にそこで感染させないならコメディだとしてもあれだけ顔に浴びせちゃダメでしょ!口にモロ入ってたし。
ゾンビ映画をやるんだったら最低限作品内の感染の設定はちゃんと守って、その中で色々と遊んで欲しい。本人は気付いてないけどカーターには実は免疫があった!?みたいな裏設定で補えるけども。
気になるのはそれくらい、あとボーイスカウトならでは知識や技なんかもう少し見たかったとかあるけど、文句なしに続編が観たくなる楽しいゾンビ映画でした!
まとめ
良かった点
- ゾンビ映画 × コメディ× ボーイスカウトの新鮮な組み合わせ
- 思春期特有のシモ要素やグッと来るくだらなさ満載
- スムーズな話の展開/気の利いた見せ方/クドい演出などの監督のセンス
- ゾンビの特性わ動き・メイクへのこだわり
悪かった点
- 感染の設定のゆるさ
- パッケージのビジュアルとタイトルの冴えない感じ。もったいない!
評価:★★★★ 結構良かったぜ! 全然【アイアムアヒーロー】だけじゃなくここ最近の面白いゾンビ映画あるんだなと嬉しくなる良作感&満足度!
同じコメディなところで言うと【ショーン・オブ・ザ・デッド】より好きかな。間違いなく【ゾンビランド】好きには刺さります!
[ 予告編 ] 観せ過ぎな予告なので、出来れば予告無しにすぐさま観て欲しい!触りだけ見る分にはイイかも。
関連&オススメ作品!
この映画も少し感染描写が甘かったけどね。終盤のバトルシーンで口を布で覆うとかゴーグルするとか、防護が緩くなっちゃったのはちと残念。役者の顔見せなきゃならないのは分かるけど。
この3人のバランス感や地味な色のユニフォーム然り通じるものがある。多少意識してると思う。
MUD -マッド-
事実上の主役の少年を演じてるのがタイ・シェリダン。ポスター右の少年。いつの間にかに大きくなったなぁー!走るトラクターの荷台で黄昏るシーンがすごく好き。
キャストややってること含めこっちの方が断然予算は掛かってる。けど同じくらいに面白かった!オープン二ングだっけな?襲って来るゾンビをかっこ良くスローで観せるとこが好き。