【香港=粟井康夫】南シナ海をめぐる中国の主張を否定したハーグの仲裁裁判所の判決について、香港の英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは13日付の1面トップで「北京政府の主張に巨大な打撃」と報じた。同記事は「中国にとっては、ほぼすべての論点で敗れた屈辱的な敗北だ」と指摘。「(天安門事件が起きた)1989年以来最大の外交的打撃だ」とする専門家のコメントも紹介した。
民主派寄りの有力紙、蘋果日報(アップル・デイリー)も「中国の南シナ海での主権が否決された」と伝え、「中国が仲裁の順守を拒絶すれば、国際的なイメージを損なう可能性がある」との解説記事を掲載した。
一方、親中国派の各紙は「中国は仲裁を受け入れない」(大公報)、「仲裁は茶番劇。中国は拒否する」(文匯報)など中国政府の主張を中心に報じた。