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[社説]中国は南シナ海の判決を受け入れて国際社会の責任を果たすべきだ

[社説]中国は南シナ海の判決を受け入れて国際社会の責任を果たすべきだ

Posted July. 13, 2016 07:19,   

Updated July. 13, 2016 07:36

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オランダ・ハーグの常設仲裁裁判所(PCA)が12日、中国が周辺国と争っている南シナ海の領有権に関して判決を下した。しかし、中国は不利な結果を予想したのか早くから「判決文は紙切れにすぎない」とし、PCAの判決を受け入れたり認めたりせず、履行しないことを宣言した。習近平国家主席は、人民解放軍に戦闘準備態勢を命じた。中国が南シナ海での実効支配を強化すれば、周辺国および「航行の自由」を求める米国との対立を増幅させるだろう。

 

今回の判決は、2013年のフィリピンの申し立てによるもので、中国が領有権主張の根拠に掲げた「九段線」の法的妥当性と中国が作った人工島の法的地位に関する判断が中心だ。中国は南シナ海にU字形に切れた線を結んだ十一段線を1947年に公開し、1953年からこれから2線を除去した9つの線を地図上に引き、海域と海底の領有権を主張した。南シナ海の約90%を包括する九段線は、フィリピン、マレーシア、ブルネイ、ベトナム、台湾と排他的経済水域(EEZ)が重なって紛争を招いたが、中国は九段線の正確な座標すら公開していない。

また中国は、満潮時は海に隠れ干潮時だけ姿を現す珊瑚礁や暗礁などの周辺を埋め立てて人工島を作り、滑走路と灯台を建てるなど基地化した。これは、人が居住できる自然の島だけに12マイル領海や200マイルEEZを適用できるようにした国連海洋法条約に反する。

拘束力を持つ今回の判決は、国際法の原則を明らかにし、中国の一方的な行動にブレーキをかけた意味がある。今後、南シナ海で領土紛争に関わるすべての国家がこの原則を尊重しなければならない。万一、履行を強制する方法がないという点を悪用した中国が判決を無視すれば、米国と東南アジア諸国が力を合わせて対応するほかない。世界は中国が自国の利己主義を越えて国際社会の指導国の資格があるのか今回の判決を受け入れるかどうかで判断するだろう。

南シナ海は世界の年間貿易量の3分の1(約5兆ドル)が通航する場所であり、韓国の大半のエネルギー輸入と貿易も行われる。中国が国際貿易秩序と航行の自由を脅かさないよう韓国も南シナ海問題に対して国際法の原則に則って明確な声を出す必要がある。中国に言うべきことは言うものの、韓中関係が悪化しないよう政府の外交的努力が必要だ。