英 メイ内相が首相に就任 女性で2人目
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国民投票でEU=ヨーロッパ連合からの離脱を決めたイギリスで、キャメロン政権の内相を務めたテリーザ・メイ氏が新しい首相に就任し、国民投票で分断された国内の融和を図りながら、EUからの離脱に向けた困難な交渉に臨むことになります。
イギリスで先月行われた国民投票で、EUからの離脱が決まったことを受け、キャメロン前首相は13日、エリザベス女王に辞表を提出し、辞任しました。
これに続いてメイ内相が女王から新しい首相に任命され、イギリスでサッチャー元首相以来、2人目となる女性の首相が誕生しました。
メイ新首相は59歳、1997年に下院議員に初当選したあと、保守党で初めての女性幹事長に就任するなど党内の要職を歴任し、2010年からはキャメロン政権で6年にわたり内相を務め、テロ対策や移民問題などに取り組んできました。
メイ新首相は、国民投票で二分された国内の融和を図りながら、EUからの離脱に向けた困難な交渉に臨むことになり、その手腕が問われることになります。
首相官邸で初めて演説したメイ新首相は「私たちはEUからの離脱を進めながら、世界の中で強く、新しく、前向きな役割を築き上げる。イギリスを特権階級だけでなく、すべての人が恩恵を受けられる国にする」と述べ、国民の結束を呼びかけました。
演説のあとメイ新首相は早速、組閣に着手し、これまでに離脱派のリーダー、ジョンソン下院議員を外相に起用するなど離脱派も重用しており、党内の融和を図るねらいがあるものとみられます。
これに続いてメイ内相が女王から新しい首相に任命され、イギリスでサッチャー元首相以来、2人目となる女性の首相が誕生しました。
メイ新首相は59歳、1997年に下院議員に初当選したあと、保守党で初めての女性幹事長に就任するなど党内の要職を歴任し、2010年からはキャメロン政権で6年にわたり内相を務め、テロ対策や移民問題などに取り組んできました。
メイ新首相は、国民投票で二分された国内の融和を図りながら、EUからの離脱に向けた困難な交渉に臨むことになり、その手腕が問われることになります。
首相官邸で初めて演説したメイ新首相は「私たちはEUからの離脱を進めながら、世界の中で強く、新しく、前向きな役割を築き上げる。イギリスを特権階級だけでなく、すべての人が恩恵を受けられる国にする」と述べ、国民の結束を呼びかけました。
演説のあとメイ新首相は早速、組閣に着手し、これまでに離脱派のリーダー、ジョンソン下院議員を外相に起用するなど離脱派も重用しており、党内の融和を図るねらいがあるものとみられます。
メイ首相とは
イギリスで2人目となる女性の首相となった、テリーザ・メイ氏はイギリス南部出身の59歳。名門、オックスフォード大学を卒業し、イギリスの中央銀行にあたるイングランド銀行での勤務などを経て、1997年に下院議員に初当選しました。
保守党で初めての女性幹事長に就任するなど党内の要職を歴任し、2010年からはキャメロン政権で6年にわたり内相を務め、テロ対策や移民問題などに取り組んできました。
クールで敏腕というイメージから「氷の女王」と呼ばれ、かつて同じ保守党のリーダーで「鉄の女」と称されたサッチャー元首相とも、比較されることも少なくありません。
国民投票では、EU=ヨーロッパ連合への残留を支持しましたが、党首選挙への立候補にあたっては「EUからの離脱という結果が出た以上は、離脱するしかない」と述べ、投票のやり直しを求める動きをけん制し、EU離脱に向け強いリーダーシップを発揮していく姿勢を示しています。
一方で、有名ブランドのスーツや靴などを着こなすことから政界のファッションリーダーとしても知られているほか、地元メディアの取材には、料理が趣味で100冊ものレシピ本を持っていると答えるなど、政治から離れた素顔も話題を呼んでいます。
保守党で初めての女性幹事長に就任するなど党内の要職を歴任し、2010年からはキャメロン政権で6年にわたり内相を務め、テロ対策や移民問題などに取り組んできました。
クールで敏腕というイメージから「氷の女王」と呼ばれ、かつて同じ保守党のリーダーで「鉄の女」と称されたサッチャー元首相とも、比較されることも少なくありません。
国民投票では、EU=ヨーロッパ連合への残留を支持しましたが、党首選挙への立候補にあたっては「EUからの離脱という結果が出た以上は、離脱するしかない」と述べ、投票のやり直しを求める動きをけん制し、EU離脱に向け強いリーダーシップを発揮していく姿勢を示しています。
一方で、有名ブランドのスーツや靴などを着こなすことから政界のファッションリーダーとしても知られているほか、地元メディアの取材には、料理が趣味で100冊ものレシピ本を持っていると答えるなど、政治から離れた素顔も話題を呼んでいます。
サッチャー元首相と重ね合わす論調も
イギリスのEU=ヨーロッパ連合からの離脱決定という厳しい状況のなかで、首相に就任したメイ新首相。イギリスでは、経済が低迷し「英国病」と呼ばれた1970年代に首相に就任し、経済を立て直したサッチャー元首相と重ね合わせる論調が目立ちます。
イギリスのメディアは、激務に耐え細部まで気を配るメイ氏の仕事ぶりや、冷静で妥協を許さない姿勢が、サッチャー氏に通じるなどと伝え、2人が首相に就任する前にそれぞれ内相と教育科学相を務め、手堅い手腕を発揮したことも紹介しています。
さらに2人がともに中流階級の出身で、名門オックスフォード大学を卒業したことなどの共通点を挙げています。
ただ、サッチャー氏に対しては、市場経済を重視し、国営企業の民営化などを推し進めた結果、イギリス国内の格差を拡大させたという批判があるのに対し、メイ氏はかつて保守党の幹事長としてサッチャー元首相時代に定着した党の冷酷なイメージの払拭(ふっしょく)に努めたとも言われており、メディアの一部は2人を同一視すべきではないとも指摘しています。
イギリスのメディアは、激務に耐え細部まで気を配るメイ氏の仕事ぶりや、冷静で妥協を許さない姿勢が、サッチャー氏に通じるなどと伝え、2人が首相に就任する前にそれぞれ内相と教育科学相を務め、手堅い手腕を発揮したことも紹介しています。
さらに2人がともに中流階級の出身で、名門オックスフォード大学を卒業したことなどの共通点を挙げています。
ただ、サッチャー氏に対しては、市場経済を重視し、国営企業の民営化などを推し進めた結果、イギリス国内の格差を拡大させたという批判があるのに対し、メイ氏はかつて保守党の幹事長としてサッチャー元首相時代に定着した党の冷酷なイメージの払拭(ふっしょく)に努めたとも言われており、メディアの一部は2人を同一視すべきではないとも指摘しています。
市民の反応は
イギリスの新しい首相にテリーザ・メイ首相が就任したことについて、ロンドン市民の男性の1人は「メイ首相は十分な政治経験があり、最適のリーダーだと思う。経済を立て直し、EUから離脱したあとの不確実性を取り除くことが求められる」と話し、メイ首相の手腕に期待を示しました。
一方で、先の国民投票でEUへの残留を支持した女性は「メイ首相がイギリスをまとめられるかどうかは、今後のEUとの交渉しだいだ。私たちにはアクセス可能な自由な市場が必要だが、移動の自由も必要で、この先、どうなるか本当に分からない」と不安な様子で話していました。
一方で、先の国民投票でEUへの残留を支持した女性は「メイ首相がイギリスをまとめられるかどうかは、今後のEUとの交渉しだいだ。私たちにはアクセス可能な自由な市場が必要だが、移動の自由も必要で、この先、どうなるか本当に分からない」と不安な様子で話していました。
米報道官が祝意
イギリスの新しい首相にテリーザ・メイ氏が就任したことについて、アメリカ、ホワイトハウスのアーネスト報道官は13日の記者会見で、祝意を表しました。そのうえで、イギリスのEU=ヨーロッパ連合からの離脱について「オバマ大統領はイギリスとEUの間で秩序だって手続きが進むことを望んでおり、メイ氏もそれを追求すると思う」と述べ、メイ新首相のもと円滑に手続きが進むことに期待を示しました。
EUユンケル委員長が祝意の書簡
イギリスの新しい首相にテリーザ・メイ氏が就任したことを受けて、EU=ヨーロッパ連合のユンケル委員長は13日、自身のツイッターでメイ氏に宛てた祝意を伝える書簡を公開しました。
この中でユンケル委員長は「これから新たな政権作りで忙しくなると思いますが、その重要な責任を全うされるよう期待します」としたうえで、「国民投票がもたらした新たな状況にイギリスとEUは速やかに対応しなければなりません。あなたの構想をうかがい一緒に仕事に取りかかりたいと思います」と記しています。
メイ新首相はEUからの離脱交渉は年内には始めない意向を示していますが、EUとしては、先行きの不透明感が市場などに与える動揺を抑えるためにもできるだけ早く交渉を始めるべきだとしており、ユンケル委員長がメイ首相に直接、交渉の早期開始を呼びかけたかたちです。
この中でユンケル委員長は「これから新たな政権作りで忙しくなると思いますが、その重要な責任を全うされるよう期待します」としたうえで、「国民投票がもたらした新たな状況にイギリスとEUは速やかに対応しなければなりません。あなたの構想をうかがい一緒に仕事に取りかかりたいと思います」と記しています。
メイ新首相はEUからの離脱交渉は年内には始めない意向を示していますが、EUとしては、先行きの不透明感が市場などに与える動揺を抑えるためにもできるだけ早く交渉を始めるべきだとしており、ユンケル委員長がメイ首相に直接、交渉の早期開始を呼びかけたかたちです。
スコットランド自治政府首相「世論に配慮を」
イギリスの新しい首相にメイ首相が就任したことを受け、スコットランド自治政府のスタージョン首相は13日、地元メディアの取材に対し、「スコットランドの市民がEU残留を支持している事実を尊重してほしい」と述べ、先月の国民投票でおよそ62%の市民がEU残留を支持したスコットランドの世論に配慮するよう求めました。
そのうえで、「私たちの間で建設的な関係を築けることを望んでいる」と述べ、今後、EUからの離脱交渉を進めるメイ首相と、EUへの残留を目指すみずからが、立場の違いを乗り越えて緊密に連携すべきだという考えを示しました。
そのうえで、「私たちの間で建設的な関係を築けることを望んでいる」と述べ、今後、EUからの離脱交渉を進めるメイ首相と、EUへの残留を目指すみずからが、立場の違いを乗り越えて緊密に連携すべきだという考えを示しました。