中国が南シナ海でテスト飛行 管轄権を誇示か

中国が南シナ海でテスト飛行 管轄権を誇示か
中国の国営メディアは、中国政府が12日に続いて13日も南沙(スプラトリー)諸島に新たに造った飛行場で、旅客機のテスト飛行を行ったと伝えました。中国としては、国際的な仲裁裁判の判断を受け入れず、南シナ海のほぼ全域に管轄権を持つという立場を改めて誇示するねらいがあるとみられます。
国営の中国中央テレビなどは、中国政府が中国南方航空と海南航空の航空会社の旅客機2機を徴用し、13日午前、テスト飛行を行ったと伝えました。
この2機は、南部・海南島の空港を離陸し、2時間近く飛行して、ミスチーフ礁とスビ礁の新たに建設された空港にそれぞれ着陸し、その後、再び海南島に戻ったということです。
映像では2機の旅客機は100人以上が乗れる大きさで、飛行場に着陸したあと、パイロットらが操縦席の窓から、中国の国旗を掲げる様子が伝えられました。
中国はミスチーフ礁とスビ礁に3000メートル級の滑走路の建設を進めていると指摘されていて、テスト飛行は12日に軽飛行機で行ったと伝えられていました。
中国政府は海難救助などの民間利用を目的としたものだと強調していますが、飛行場の整備が進んだことで、今後、軍用機の離着陸も行われる可能性もあります。
中国政府としては、国際的な仲裁裁判の判断を受け入れず、南シナ海のほぼ全域に管轄権を持つという立場を改めて誇示するねらいがあるとみられます。