熊本地震から3か月 経済への影響続く

一連の熊本地震では、自動車や半導体の工場を中心に生産停止などの影響が相次ぎ、地震発生から3か月がたった今も、影響が残っています。
このうち「トヨタ自動車」は、グループ会社の工場が被災した影響で、国内のほとんどの工場で車の組み立てを一時停止しました。
別の工場の代替生産で生産は回復していますが、被災した熊本市内の工場の本格的な操業再開は来月下旬からになる見通しです。
「ホンダ」は、オートバイなどの生産を停止した大津町にある工場が一部操業を再開していますが、完全に復旧するのは、来月中旬になる見通しです。
「ソニー」は、デジタルカメラなどに使う画像センサーの生産を停止した熊本県菊陽町の工場で生産を再開していますが、地震前の生産の水準に戻るのは、来月末になる見通しです。
「サントリー」は、ビールや飲料水を生産していた熊本県嘉島町にある工場が生産を中止したままで、まずは年内にビールの生産を再開したいとしています。
一方、光学ガラスメーカーの「HOYA」は、液晶パネルの部材を生産していた大津町の工場を、復旧が難しいとして閉鎖することを決めました。
農林水産関係の被害も大きく、農林水産省によりますと、被害額は先月21日現在で1489億円に上っています。
今は国と地元の農協が、コメが生産できなくなって大豆の栽培に切り替えた農家に対して、大豆の作付けの支援にあたっています。
住宅などの被害に対する地震保険の支払いも拡大しています。日本損害保険協会のまとめによりますと、損害保険各社が先月27日までに保険金を支払った件数は20万件を超え、保険金の総額は東日本大震災に次ぐ規模の3285億円となっています。
一方、観光面では旅行や宿泊などのキャンセルが相次ぎ、影響が続いています。このため、各旅行会社は国の助成を活用した割安な旅行商品の販売を始めています。