かつては一般的...歴史の中の「生前退位」について調べました。
07/14 02:11
天皇陛下が、天皇の位を生前に皇太子さまに譲る、「生前退位」の意向を周囲に示されていることが13日夜、わかりました。天皇家の長い歴史の中で、生前に退位して、皇位を譲る譲位は、どのように行われてきたのでしょうか。
昭和天皇までの124代の天皇のうち、半数近くが譲位している。
しかし、明治以降、天皇の譲位はなくなった。
譲位を行った最後の天皇は、江戸時代後期の光格天皇で、それ以降、200年間、譲位は行われていない。
これは光格天皇の3代あとになる、明治天皇の時代の1889年に制定された旧皇室典範で、生前譲位を認めていなかったことによるもの。
譲位によって生まれかねない権力の二重構造によって、大きな混乱を招いた過去の歴史などが、その背景にあるとされている。
日本大学法学部・百地 章教授は「過去の譲位の例をいろいろ比較したときに、いろいろと政治的な弊害があったりしたということから、メリット、デメリットを考えたうえで、デメリットのほうが大きいということで、終身制にしたわけです」と話した。
戦後新たに制定された皇室典範でも、天皇の退位の規定はなく、天皇が崩御しないかぎり、皇位の継承はなされないこととなっている。
一方、天皇が病気や事故、その他の理由で職務を行えない場合や、天皇が未成年である場合には、天皇の代理者として「摂政」を置けることになっていて、最近では昭和天皇が皇太子だった1921年、病弱だった父、大正天皇の摂政についている。
今回の天皇陛下の「生前退位」のご意向は、皇位の継承のあり方に新たな道を開くもので、皇室典範の改正なども含めた幅広い議論につながり、数年の時間がかかるものと考えられる。
日本大学法学部・百地 章教授は「事実上、激務から開放されて、譲位のような形になることが陛下のお気持ちに応えることになるんじゃないかと。そのうえで時間をかけて、譲位制度の是非をあらためて国会、内閣がきちんと判断するということじゃないでしょうか」と話した。
海外では3年前の2013年に、皇室とゆかりの深いオランダの女王が皇太子に譲位して、およそ1世紀ぶりに国王が誕生し、世界の注目を集めた。
一方、イギリスでは生前退位は可能で、1936年にエドワード8世が退位した例がある。
現在のエリザベス女王は、2016年90歳を迎えたが、退位の意向はないとみられ、イギリス社会でも退位論は大きく論じられていないという。
昭和天皇までの124代の天皇のうち、半数近くが譲位している。
しかし、明治以降、天皇の譲位はなくなった。
譲位を行った最後の天皇は、江戸時代後期の光格天皇で、それ以降、200年間、譲位は行われていない。
これは光格天皇の3代あとになる、明治天皇の時代の1889年に制定された旧皇室典範で、生前譲位を認めていなかったことによるもの。
譲位によって生まれかねない権力の二重構造によって、大きな混乱を招いた過去の歴史などが、その背景にあるとされている。
日本大学法学部・百地 章教授は「過去の譲位の例をいろいろ比較したときに、いろいろと政治的な弊害があったりしたということから、メリット、デメリットを考えたうえで、デメリットのほうが大きいということで、終身制にしたわけです」と話した。
戦後新たに制定された皇室典範でも、天皇の退位の規定はなく、天皇が崩御しないかぎり、皇位の継承はなされないこととなっている。
一方、天皇が病気や事故、その他の理由で職務を行えない場合や、天皇が未成年である場合には、天皇の代理者として「摂政」を置けることになっていて、最近では昭和天皇が皇太子だった1921年、病弱だった父、大正天皇の摂政についている。
今回の天皇陛下の「生前退位」のご意向は、皇位の継承のあり方に新たな道を開くもので、皇室典範の改正なども含めた幅広い議論につながり、数年の時間がかかるものと考えられる。
日本大学法学部・百地 章教授は「事実上、激務から開放されて、譲位のような形になることが陛下のお気持ちに応えることになるんじゃないかと。そのうえで時間をかけて、譲位制度の是非をあらためて国会、内閣がきちんと判断するということじゃないでしょうか」と話した。
海外では3年前の2013年に、皇室とゆかりの深いオランダの女王が皇太子に譲位して、およそ1世紀ぶりに国王が誕生し、世界の注目を集めた。
一方、イギリスでは生前退位は可能で、1936年にエドワード8世が退位した例がある。
現在のエリザベス女王は、2016年90歳を迎えたが、退位の意向はないとみられ、イギリス社会でも退位論は大きく論じられていないという。