14日
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天皇陛下「生前退位」のご意向、多忙な公務 見直し難しく・・・

 5月、天皇・皇后両陛下は、熊本地震で大きな被害を受けた南阿蘇村や益城町を訪問し、被災者を見舞われました。

 これまでも大きな自然災害が起きると、両陛下はすぐに現地に被災者を見舞われてきました。こうした被災地へのお見舞いなどのほかにも、両陛下の日常の公務は非常に多くあります。

 去年1年間だけでも、国務大臣の任命式や各種の表彰などで250回を超え、海外や地方への訪問は75回を数えました。また、太平洋戦争の戦没者を追悼する慰霊の旅も続けられてきました。

 こうした過密日程から、陛下の公務軽減が10年ほど前から議論されてきました。去年には、宮内庁が公務の一部を取りやめるなどの見直しをしたものの、実質的にはあまり変わっていないのが現状です。

 4年前の誕生日に際しての会見で、公務軽減の問題について問われると・・・

 「負担の軽減は公的行事の場合、公平の原則を踏まえてしなければならないので、十分に考えてしなくてはいけません。今のところ、しばらくはこのままでいきたいと考えています」

 陛下は現在82歳。2003年には前立腺がんの手術、4年前には心臓バイパス手術を受けられています。その年、皇太子さまは会見で、陛下の公務について、このように述べられました。

 「陛下のご年齢を考えますと、ご負担の軽減は必要と思われますので、周りがいろいろと考え、お助けしていくことが大切です」

 陛下は、去年の誕生日に先立つ記者会見で、自身の年齢についても言及されていました。

 「年齢というものを感じることも多くなり、行事のときに間違えることもありました。したがって一つ一つの行事に注意深く臨むことによって、少しでもそのようなことのないようにしていくつもりです」

 天皇の生前退位については、125代続く歴史の中では珍しいことではありませんが、近年では江戸時代の光格天皇を最後に、およそ200年間、行われていません。現行の皇室典範では、生前退位について特に定められていないため、もし、天皇陛下が生前退位を実現しようとすると典範の改正が必要になります。

 「生前譲位をすると元号も変わってしまうわけで、今までにない事態。今の皇室に対する深い危機感、次の代がどうなるかということへの不安があったのではないかと推察する」(明治学院大学 原武史名誉教授)

 海外の例を見ると、スペインやオランダの王室では生前退位の規定があります。オランダでは3年前、ベアトリクス女王が退位し、新しい国王が即位した式典に、日本から皇太子さまと雅子さまが出席されています。(13日23:02)

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更新日時:7月14日 2時2分

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