はっけんの水曜日 2016年7月13日
 

爪に貼るマステ!どうでもいい筆箱!夏の文房具フェス2016

女子率が異常に高すぎる謎の海外ブース。秘密は2ページ目で。
女子率が異常に高すぎる謎の海外ブース。秘密は2ページ目で。
7月6日〜8日の3日間、東京ビッグサイトにてアジア圏最大の文房具見本市、ISOT2016(国際文具紙製品展)が開催された。
見本市というか商談会なので一般の人はなかなか入る機会もないのだが、文房具ファンとしては年に一度の夏フェス的な扱いで、待ちに待ったイベントなのだ。

このISOTで展示・発表されていた最新文房具レポート、3日目は、ISOT会場内で行われた文房具イベントや、微妙に文房具からズレた小ネタをご覧いただこう。
1973年京都生まれ。色物文具愛好家、文具ライター。小学生の頃、勉強も運動も見た目も普通の人間がクラスでちやほやされるにはどうすれば良いかを考え抜いた結果「面白い文具を自慢する」という結論に辿り着き、そのまま今に至る。
> 個人サイト イロブン Twitter:tech_k

ISOT(国際文具・紙製品展)2016連載インデックス
1日目
終わったら引き裂くToDoリスト!
2日目
ラップに書けるペン!おねがい口調ハンコ!
3日目
「爪に貼るマステ!どうでもいい筆箱!」(この記事)
4日目
7/14 更新
5日目
7/15 更新

今年は毎日文房具トークライブ開催

文房具業界には、メーカー数十社が集まって作られた「全日本文具協会」=全文協という社団法人がある。
で、この全文協がISOTを後援していたりもするのだが、今年はさらに会場内に大きくブース展開し、全文協に加盟しているメーカー各社自慢の文房具をずらっと並べて紹介していた。
全文協ブース。終日の人だかりで大変だった。
全文協ブース。終日の人だかりで大変だった。
ここ見るだけで日本のいまの文房具シーンがなんとなく分かる、ぐらいのボリュームある展示。
ここ見るだけで日本のいまの文房具シーンがなんとなく分かる、ぐらいのボリュームある展示。
この全文協ブースをプロデュースしたのが文房具業界のキングこと文具王 高畑正幸氏なのだが、今回はさらに文具王による展示品の紹介トークが1日2回、3日間通しで行われたのだ。
どっかで見た名前があるなと思ったら、僕も出てた。
どっかで見た名前があるなと思ったら、僕も出てた。
とはいえさすがに文具王だけでは大変ということで、まず初日は文具王と僕も参加している文房具トークユニット「ブングジャム」の3人で、最終日はTBS『マツコの知らない世界』で文房具を担当した文具ソムリエールこと菅未里さんが参加してのライブとなった。
1時間のトークで31点の文房具を紹介するという、ハイスピードカメラ撮影のようなライブ。
1時間のトークで31点の文房具を紹介するという、ハイスピードカメラ撮影のようなライブ。
おかげさまで全ての回とも大盛況。ただ、文房具1点の説明が2分足らずという状況に焦ったか、全員が超絶早口になっていたような気がするのが悔しい。スロー再生したい。

鉛筆彫刻ライブ

また、会場内では別のライブも3日間ずっと行われていた。
SNSで画像が流れてきたのを見た事ある、という人もいるのではないか。鉛筆の芯に彫刻を施す「鉛筆彫刻」の、ライブである。
人通りのある中、黙々と鉛筆の先端を削り続ける過酷なライブだ。
人通りのある中、黙々と鉛筆の先端を削り続ける過酷なライブだ。
鉛筆彫刻家の山崎利幸氏の死ぬほど繊細な技術を間近で見られるということで、僕もかなりワクワクして見に行ったのだが、実際に作業を拝見すると、かなり危険だった。
作業中の山崎利幸さん。こないだルーペ専門店で見たやつ使ってた。
作業中の山崎利幸さん。こないだルーペ専門店で見たやつ使ってた。
あまりにも繊細すぎて、見てるだけで自然に息を詰めてしまい、呼吸が止まるのだ。なんで山崎さん本人はあれで窒息死しないんだろう。
山崎さんのサイトで、削ってる動画も見られる。本当に息が詰まるぞ)
鉛筆三本でししおどし。どうやって彫ってるのか見当つかない。
鉛筆三本でししおどし。どうやって彫ってるのか見当つかない。
文字やらマークやら。なんであんな細かなものに細かい彫刻ができるのか。
文字やらマークやら。なんであんな細かなものに細かい彫刻ができるのか。
なんかもう指紋に黒鉛染み込んでんじゃないかという山崎さんの手。
なんかもう指紋に黒鉛染み込んでんじゃないかという山崎さんの手。
ところで、山崎さんに
「展示会場とかそんな騒がしいところで集中して彫刻するって大変じゃないですか。ISOT側から無茶振りされたんですか」
と訊いたのだが、ご本人は
「いやー、自宅でも子供がバタバタ走り回ってるような環境でやってるんで、全然問題無いですね。これぐらいなら逆に静かな方ですよ」
と泰然と仰っていた。タイの座禅僧みたい。この人、そのうち鉛筆で五百羅漢とか彫るんじゃないか。
最終日にはプライスダウン。でも折れるの怖くて買いづらい。
最終日にはプライスダウン。でも折れるの怖くて買いづらい。
ちなみにここで彫られた鉛筆彫刻(アルファベット)は、その場で販売されていたのだが、あまり売れていなかった。
彫刻をずっと眺めてたおばさん(小売店の名札を下げてた)が、「欲しいけど、こんなところで買って帰ったら家に着くまでに折れてそうで買えないわ」という旨のことを同行していた人に何度も繰り返し喋ってた。まったく同意見だ。
こんな繊細なやつは、もうちょっと落ち着いたところで買いたい。


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