海外メディアは13日、天皇陛下が生前退位の意向を示したことを「前代未聞の事態」と驚きを持って伝えた。

 仏AFP通信は「歴史の古い天皇制で、この200年間、生前退位は一度もなかった」と速報した。

 AP通信は、健康問題に触れた。82歳になる天皇陛下が体調を崩しながらも「ほとんど公務を減らさず、北に南に移動して被災者を慰問したり、外国からの来賓をねぎらったりしてきた」と報じた。

 中国の大手ポータルサイト「捜狐」は、「生前退位は健康状態を考慮したのではないか」という専門家の声を紹介。「天皇は統治者ではなく、象徴であり、英国王室の役割に近い」「皇太子が後を継ぐことは何年も前から決まっており、生前退位が日本の政治に与える影響は限定的ではないか」との見方を示した。

 「アキヒト天皇」の歩みを振り返る報道もあった。

 英BBCは「天皇は第2次大戦時の愛国主義とは距離を置く姿勢でたたえられてきた」と指摘した。

 また、英ロイター通信は「父(昭和天皇)の時代の戦争が生んだアジア各国の傷を癒やし、天皇家と市民の距離を縮めることに努めてきた」と紹介した。戦後70年の終戦の日の「おことば」も取り上げ、「『深い反省』を表明したのは、右傾化の脅威に対して平和主義を貫く意図と受け止められた」と読み解いた。