文科相「京都国立博物館も候補に」 文化庁移転
馳浩文部科学相は13日、視察で訪れた京都市内で、文化庁の移転先候補地として京都国立博物館(東山区)を新たに挙げた。「意義深い場所で、百点満点だ」と高く評価し、これまで最有力としてきた京都府警本部本館(上京区)と同列との認識を示した。
馳文科相は、文化財の展示収蔵や修復を行う京博に移ることで「文化庁職員が現場と一体になって機能強化を果たすことができる」と説明した。京都駅に比較的近い交通アクセスや、社寺や大学に囲まれた周辺環境も利点とし、「前々から選択肢として考えていた」と明かした。
これまで「断トツに良い」と発言してきた府警本部本館については「府や京都市の提案では、百点満点だ」と強調したが、建物の老朽化が進んでいるため「あのままでは使えない。耐震工事と一定程度の改修が必要になる」と述べた。
移転時期は、2020年の東京五輪前にという京都府、京都市の要望を踏まえ、「私もそう希望する」としつつ「建物を新築すると、埋蔵文化財の調査や景観条例の対応で数年かかることもある」と述べた。
馳文科相はこの日、文化庁が24日まで京都市内で行う移転の実証実験を視察した。17年度予算案編成の概算要求に向け、文科省は8月末に移転の概要をまとめる。政府は年内にも移転の規模や部署、経費などを詰める。
【 2016年07月13日 22時00分 】