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まりなと野獣先輩のクッキー☆kiss 作者:そのまんま東のような人物のイラストをイメージ画として自身が一種の淫夢系のキャラクターとして扱われている、近年ではイワナ系朗読やFXで有り金を溶かしたりしている朗読兄貴
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ホモビに出ただけで小説の題材になる男

俺の名前は田所浩二。今日は後輩の遠野を家に呼ぶ日なんだゾ。
でもやっぱり緊張しちゃうんだゾ…。

「ん~、いいときは結構いくね」

「へ~」

「結構楽だったよ」

俺と遠野は大学の水泳部で一緒に活動している。
でも遠野の泳ぎ方はすっごく丁寧で、俺も見とれちゃうぐらいなんだゾ~。
だから今日…そんな遠野を家に呼べるなんて嬉しい。

「こ↑こ↓」

俺の家の前についた。
遠野はそんな俺の家に目を丸くさせて驚いてくれている。
やっぱり持つものは後輩、はっきりわかんだね。

「…へぇ~すっごいおっきいっすね…」

ドアを開けて、俺は遠野を中に迎え入れた。
家の中は遠野から見たら汚く見えるかもしれないけど、これでも結構掃除した方。
でも遠野が「きたない」って言うならこれからもっと掃除に手を入れるゾ。

「入って、どうぞ」

「…おじゃましまぁす」

「いいよ上がって上がって」

やっぱり後輩を家に招き入れるのは緊張するゾ。
でもゆっくり遠野と話せるのは嬉しい事なんだ。
家の中をキョロキョロ見渡す遠野の姿も…可愛い。

「あっ…お~…おっきいっすねぇ…」

俺が財布の中のお金を叩いてまで買った、自慢のソファに遠野は腰掛けた。
俺は遠野の横に座り、話題作りに多少緊張していたが、遠野から話してくれた。

「…練習、キツかったですね」

「ねー練習今日キツかったねー」

「あーい…」

「大会近いからね、しょうがないね」

遠野はカッコいい。
俺は遠野の泳ぐフォームとか何度も見ているが、キレがあるのだ。
練習は真夏の中行われ、体力を大量に消耗する。その中でも遠野は疲れた様子を見せない。
遠野が持つセンスかどうかは定かではないが、そんな遠野が俺の家に来てくれて、更には遠野の方から話してきてくれたのは嬉しかった。

「話変わるんですけど…そういや最近、田所先輩は新しいゲームを始めたんですよね」

「…まぁ多少はね?やってるよ」

俺が最近始めたのは新しく運営されたオンラインゲーム「立教大学」だ。名前こそは短いものの、広大なフィールドをプレイヤーが駆け抜けられる、凄い大作だ。
だけど何らかの不具合で今現在プレイ出来るのが俺と少数名だけで、今はアカウント登録が出来ない状態なんだゾ。
だから今のうちにレベルを上げて他のプレイヤーに差を付けるためなんだゾ。

「先輩にこんな図々しいお願い…悪いんですけど、少し見せてくれませんか」

「いいゾ~」

遠野の願いなら仕方ない。
余り人には見せたくなかったが、俺はパソコンを持ってきて遠野に見せることにしたゾ。

「はえ~…すごいっすね」

「まだ始めたばかりだからね、そこは許して」

パソコンを起動させ、噂のオンラインゲーム「立教大学」を始める。
いつもならパソコンの画面一杯に真っ赤なお城のような建物が出てきてスタートするんだけど…いつまで経っても真っ黒画面のまま。
これじゃあ遠野に迷惑をかけてしまうゾ…。

「ぬわあああああああああん遅いもおおおおおおおおおん」

「そぉー…っすね、ハイ」

「遠野、もう少しだけ待ってて欲しいんだゾ」

「あぁ、はい」

相変わらず立教大学の起動は遅い。
こんな時にメンテナンスか…?頭に、来ますよ~

「…遅いな…。…のど渇いたな…のど渇かない?」

「あーのど渇きましたねえ」

「なんか飲み物…ちっとまって」

俺はパソコン画面の前で健気に待機する遠野の為にアイスティーを持ってこようとした。
…ん?待てよ。俺がアイスティーの中に睡眠薬を混ぜたら…あっ(察し)

「おまたせ!アイスティーしかなかったけど、いいかな?」

「あ、ありがとうございます」

「あ、ちょっと俺トイレ行ってくるから先に飲んでて待っててなんだゾ~」

俺は少し尿意があった。
なるべく遠野を呼ぶ前に済ませたかったが、尿意は言う事を聞いてくれない。
早めに排泄を済ませると、俺は遠野の元に戻った。

「お待たせ」

「あ、先輩。アイスティー、美味しいっすね」

「おっ、そうだな」

―――ん?どういうことだ?
俺は遠野に渡したアイスティーに睡眠薬を入れたゾ。
だから遠野は段々眠気に堕ちていくはずなのに、目はパッチリとしているゾ。

「…じゃあ俺も飲むとするゾ~」

パソコンの画面は暗いまま。一向に動こうともしない。
俺はパソコンを半ば諦め、遠野との談笑に持って行こうとした。

「なぁ、遠野…って…ふぁ~」

どうしてだ?眠気が止まらない。

「…あ、先輩、気づいちゃいました?…先輩と僕のアイスティー、入れ替えたんですよ。
…要するに、先輩のものを僕が飲んでて、僕のものを先輩が…って先輩!?」

段々と意識が遠のいていく。
視界の中の朧げに映る遠野の顔が徐々に靄が掛かり始める。

「…とお…の…」

「先輩!しっかりしてください!先輩!…ってどうなってるんだ!?先輩のパソコンが、虹色に輝き出して…って先輩!」

俺は何かに引きずり込まれたような気がした。
何処に飛ばされたのか、そんなのは分からないゾ。
でも、不可解な現象にちょっと…困惑しているゾ…。

もう遠野の声は聞こえなくなっていた。
…あぁ…俺は一体、何処へ行くんだ…。
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