【社説】THAAD、国会が十分に議論して国論をまとめるべき

【社説】THAAD、国会が十分に議論して国論をまとめるべき

2016年07月12日14時37分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
comment
0
share
このエントリーをはてなブックマークに追加
mixi
  在韓米軍への高高度ミサイル防衛(THAAD)体系配備が決定したことで、国内外の利害当事者の反応が激しい。こうした時であるほどTHAADは韓国政府が北朝鮮の核・ミサイル脅威に対処するために選択した軍事的に正当な自衛権的措置という確固たる認識を共有する必要がある。北朝鮮軍は「南朝鮮の傀儡が米国のTHAAD体系を引き込み、自滅の悲惨な末路をさらに操り上げている」とし「位置と場所が確定するその時点から我々の物理的対応措置が実行されるだろう」と脅迫した。これに対し朴槿恵(パク・クネ)大統領が「北が挑発する場合、最も大きな被害者はわが国と国民だが、核とミサイルが我々の領土に投下されて多数の人命被害が発生する状況を放置できない」とTHAAD配備の正当性を強調したのは適切だった。

  問題はTHAADが軍事的な本質のほか、外交的・理念的・生活的・政治的・手続き的な問題を含む複合的なイシューという点だ。大統領が表明した原則論で表すには、あまりにも多くの大小の疑問が残っていて、これを解消する努力が要求されている。国会で昨日開かれた外交統一委員会では会議の冒頭に沈載権(シム・ジェグォン)委員長(共に民主党)が「THAAD配備に反対する」と主張したため、与野党間で衝突が生じた。沈委員長をはじめとする野党の一部の議員は「THAADは韓国防御でなく中国攻撃用」「中国が貿易報復する可能性」「THAADは韓国国民ではなく米軍安全用」という主張を反対論の論拠に挙げた。与党セヌリ党議員は「常任委員長が会議を進めながらTHAAD配備反対という個人的な意見を表明するのは不適切だ」とし「政府の説明を聞く前から状況を断定する態度は正しくない」という趣旨で反論した。攻防は国防委員会でも続いたが、共に民主党の禹相虎(ウ・サンホ)院内代表は国民には秘密に、国会も知らずに決めた手続き的な問題を集中的に提起した。

  国会外交統一委員長のような責任がある位置にいる政治家らが、韓米当局が4カ月間協議して政府の外交安保意思決定機構である青瓦台(チョンワデ、大統領府)安全保障会議(NSC)の決定に反対からする言動は望ましくない。しかし国民の生活と意識に広範囲な影響を与えるほどの事案にもかかわらず、政府が国民を説得する過程が十分でなかったと主張した点は事実だ。鄭鎮碩(チョン・ジンソク)セヌリ党院内代表も「十分に準備されていない状態でTHAADが発表された背景が釈然としない。政府内で緊密な政務的協議のようなものが看過されたという印象を否めない」(国防委)と述べ、尹相ヒョン(ユン・サンヒョン)議員も「戦略的カードをあまりにも性急に使ってしまった」(外交統一委)という話をした。

  今後、政界でより多くの議論がなければいけない。こうした論争は執行過程で発生する問題と副作用を減らし国論を結集する契機にできるだろう。このため政府当局と与野党の責任ある地位にいる政治家が非公開で情報と意見を緊密に交わす必要がある。朴大統領も野党の理解と国会の協力を通じて国民を説得する誠意を見せなければいけない。
【今日の感想】この記事を読んで・・・
興味深い
悲しい
すっきり
腹立つ
役に立つ

今日のイチオシ記事