TOEICと英語力は関係ある
TOEICは役に立たないとか、参考にならないとかいう声を聞くことがありますが、はっきり言って関係あります。
この記事では、まずTOEICに対してのネガティブな声を真っ向否定した上で、新しく変わったTOEIC(以降「新TOEIC」)にどのように対応していけば良いのか?ということについて述べていきます。
私は、これまで12年にわたり、多くの生徒様の英語学習、TOEIC指導、留学サポートを行ってきました。東京大学の学生さん(学部も院も)、京都大学の学生さん(同じく学部も院も)にも数え切れないほど英語の指導をしてきました。時には、東京大学の英文学科教授の英語校正もしてきました。一方、高校を中退したけど英語を真剣に勉強した学生さんを指導したこともあります。実に幅広い分野、業界、レベルの方々への英語指導を通じて感じた、「英語習得、TOEIC学習の効果を最大限に高める方法」をここでご紹介できればと思います。
日本で英語テストといえば TOEIC です。英検や TOEFL もありますが、大人向けのテスト、ビジネス英語で言えば圧倒的に TOEIC です。結論からいきますと、TOEICと英語力は関係あります。大有りです。
「TOEIC は私の英語力を正確に測るものではない」
「TOEIC ができるからと言って英語が話せるというわけではない」
「TOEIC なんてしょせん、、、」
こんな声は耳を塞いでいても聞こえてくるくらい頻繁に叫ばれ・聞かれる台詞です。しかしこんな言葉に耳を貸さないことです。新TOEICの傾向は、云々はあれこれあるのですが、そういう次元の前に、上のような戯言(ざれごと)に気持ちを揺さぶられることなく、すべきことをすることです。これが土台得あり、はっきり言ってそれだけです。<なぜ上が戯言なのか?は別記事で掘り下げましょうか?>
すべきことをする
新TOEICでスコアを上げるなら、「ひたすら単語を覚える」これに限ります。とにかく単語力がその人の英語力であり、その人のTOEICスコアを決定します。文法は取り合えず置いておいてよいので、発音や綴りの正確さや、もろもろは(どうでも言い訳ではありませんが)一時的にはどうでもいいので、とにかく、ひたすら単語を覚えましょう。それが「すべきこと」です。
TOEICのスコア表を見ていると、面白い統計的な傾向が見えます。Abilities Measured (テスト後に出るパフォーマンスグラフ)の「語彙力」x 10 をすると、だいたいその人の TOEIC の点数になっています。Abilities measured の単語が67%だったのなら、670点 くらいになっているものなのです。
これは東大生でも、京大生でも、傾向は同じです。東大生だからといって、単語力が低くても TOEIC で高い点数が出ているということはありません。考えてみれば当たり前です。単語力がなければ、出てきた文章を読んでも、分からない単語が一定割合出てきてしまって、虫食い状態で読むようになります。
「全ての単語の○○を知っていれば、○○○に○○することが可能だが、それ○○に○○なエネルギーがかかってしまうものである。」○○は虫食いの部分です。 この部分に出てきていた単語が分からなければ、この文章のように虫食い(空欄がある状態)で読んでいくことになります。
「全ての単語の意味を知っていれば、効率的に読解することが可能だが、それ相応に余計なエネルギーがかかってしまうものである。」
虫食いでなければ、余計なエネルギーや時間のロスなく、効率的に読み進めていくことができるのです。
リスニングも同様です。流れてきた音声を理解できるも・できないも、その流れた音声の中の単語を知っているかどうかです。知らない単語は、何度聞いても知らないし、意味は分からないのです。一生懸命聞くとか、そういう話ではなく、知らない単語が沢山入った文章は、一生懸命聞いても絶対に分かりません。保障できます。だから、まず単語を頭に入れていくべきなのです。単語が頭に入ったら、そしたら Listening や Reading の練習をしましょう。この順番を間違わないことです。あなたがどこ大学出身でもこれは変わりません。それは、単語を覚えなければ進んでいけないということが「本質」だからです。
新TOEICは●●が決定的に注意ポイント!
上で単語力をあげていきましょう、それがほぼ全てです!という話をしました。これは正しいです。その前提であり土台に立って、新TOEICに向け進んでいくわけですが、テストでスコアを上げるための大事な注意ポイントがあります。それは「長文問題を解くスピード」です。
新TOEICでスコアを上げるために最重要となるのは、いかに長文問題をスピーディーに解いていけるかです。
- Part 3 三人以上の Speaker の対話
- Part 3/4 表の出現
- Part 3/4 話しての意図を問う問題
- Part 6 文章挿入の問題
- Part 7 チャット形式の長文問題
- Part 7 トリプルパッセージの出現
- テスト全体を通しての Part 間の問題数の上下
新TOEICでは様々な変化がありました。
ありましたが、最もスコア上下に直結するのは、「全体的な理解の必要性」と「長文問題の増加」です。新TOEICでは、上記の総合的な結果として、より多くの情報を限られた時間で解く必要が出てきました。
だからこそ単語力が必要になります。
Part 5, 6 で、単語問題をいかに早く解けるかがキーになります。単語問題で引っかかっているようでは、長文問題に時間を残すことができなくなります。それだけではありません。Part 6, 7 でいかに早く、いかに正確に長文を理解していけるかというのは、単語力がいかに成熟しているかによります。
上のような虫食い状態がたくさんある中で、長文を早く読んでいくなんて無理です。保障できます。本質的に、根本的に、TOEICのスコアを上げるために、あなたに今求められているのは、いかに単語力をアップしていけるかなのです。