大飯原発の地震の揺れ想定 見直さず

大飯原発の地震の揺れ想定 見直さず
福井県にある大飯原子力発電所で、想定される地震の揺れについて過小評価のおそれがあると指摘された問題で、原子力規制委員会は、別の手法で再計算した結果が今の想定を下回ったとして、見直す必要はないという結論で一致しました。
原発で想定される最大規模の地震の揺れを巡り、原子力規制委員会で地震などの審査を担当していた島崎邦彦元委員は、一部の原発では「入倉・三宅式」と呼ばれる計算式を使うと過小評価になるおそれがあり、まず大飯原発の評価を別の計算式でやり直すよう求めています。
このため事務局の原子力規制庁は、地震の規模の評価がより大きくなる別の計算式で再計算した結果を13日の原子力規制委員会で報告しました。それによりますと、再計算した地震の揺れは最大で644ガルと、審査で了承された856ガルを下回ったということで、規制委員会は、今の想定はおおむね妥当だとして、見直す必要はないという結論で一致しました。
大飯原発の審査では、過去に、別の原発で想定を大幅に上回る周期の短い地震の揺れが観測された実例を踏まえて「入倉・三宅式」を基に不確かさを考慮した補正をしています。今回、原子力規制庁は再計算に使った計算式について、補正に関する規定がないことなどから補正を実施しなかったとしていて、原発の地震の想定にどの程度の不確かさを見込むかは課題になります。