南スーダン情勢は依然緊迫 国外退避へ調整続く

南スーダン情勢は依然緊迫 国外退避へ調整続く
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陸上自衛隊の部隊が国連のPKO=平和維持活動に参加しているアフリカの南スーダンで再燃した政府軍と反政府勢力の戦闘は、停戦命令を受けて小康状態となっていますが情勢は依然緊迫していて、現地に足止めされている日本人およそ70人の退避に向けた調整が続いています。
南スーダンでは、2年余りの内戦状態のあと、ことし4月に暫定政府が発足しましたが、今月7日以降、キール大統領を支持する政府軍とマシャール副大統領に忠誠を誓う反政府勢力との間で戦闘が再燃し、これまでに市民など270人以上が死亡したとみられています。
大統領と副大統領が11日、それぞれの配下の兵士たちに停戦命令を出したあと、戦闘はひとまず小康状態になっていますが、内戦の背景には根強い民族対立があり情勢は依然として緊迫しています。
首都ジュバには、日本大使館の職員やJICA=国際協力機構の関係者などおよそ70人が滞在していて、日本人を退避させるため現地に向かった自衛隊の輸送機は14日にもアフリカのジブチに到着する予定となっています。
またAP通信などによりますと現地の空港では12日、一部のチャーター機の運航が認められ外国人が国外退避を始めたということで、日本人の退避に向けて現地でもチャーター機を用意するなどの調整が続いています。

JICA 自宅などでの待機指示

南スーダンの首都ジュバには、現在もおよそ70人の日本人が滞在しています。
JICA=国際協力機構によりますと、このうち44人がJICAの事業に関連する人たちで、20人はJICAの職員やスタッフ、それに直接契約で技術支援にあたっている専門家だということです。
このほかの24人は日本のODA=政府開発援助によるインフラ整備などの事業を受注している企業の社員やコンサルタントだということです。
日本の外務省は国外に退避するよう求めていますが、移動手段が確保できず出国できない状況が続いているため、JICAは屋外に出ずに自宅などで待機するよう指示しているということです。