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改憲、徹底的な議論求める声

 改憲勢力が憲法改正案の発議に必要な参院(定数242)の3分の2の議席を初めて超えた参院選から一夜明けた11日、有権者からは驚きや不安、歓迎の声が聞かれた。ただ、憲法改正が争点にならなかったとして、改憲に賛成・容認の立場の市民も徹底的な議論を求めた。【福島祥、鈴木梢、青木絵美】

    具体案示して/争点隠しずるい

     札幌市のJR札幌駅近くを歩いていた買い物帰りの同市北区の主婦、三浦そのみさん(36)は「時代に合わせ憲法を変えることはやむを得ない。ただし、憲法改正が明確な争点になっていなかったので国民に具体案を示してじっくり議論してほしい」と注文した。

     友人と待ち合わせでJR池袋駅(東京都豊島区)にいた練馬区の主婦、鈴木史子さん(49)は「自民党はそれほど改憲に触れていなかった。選挙直後に安倍晋三首相が『憲法改正について自民党は立党以来訴えている』と言っているのを聞いて、ちょっとずるいと思った。改憲議論を注視したい」と話した。

     さいたま市浦和区の元映画監督、横山博人さん(68)は改憲に賛成する。「中国や北朝鮮とのトラブルが頻発し米国頼みではどうしようもない。これで国民投票への道筋がついてよかった」。ただ、安倍首相が選挙戦で改憲にほとんど言及しなかったことを「わざとで打算的だ」と批判。「日本全体で議論し、多様な意見を聞くべきだ」と話した。

     名古屋市千種区で知人宅に向かう途中だった同市北区の無職、斉木一さん(68)は「国民がより切実に願っている景気対策や社会福祉に力を入れてほしい」。

     JR尼崎駅(兵庫県尼崎市)で下車した仕事帰りの同市の会社員、西山香織さん(39)は「やがて9条も変えられ、6歳になる長女が大人になるころ、戦争に巻き込まれるようにならないか不安」と明かした。

     京都市左京区で経営するオーガニックカフェの引っ越しをしていた井崎敦子さん(51)は改憲勢力の伸長に落胆の表情。ただ「仮に発議されても国民投票になるのであきらめてはいない」とも話した。

     通院中の病院へ向かうため福岡市のJR博多駅前を急いでいた北九州市小倉南区の三ケ尻裕子(ひろこ)さん(74)は慎重な議論を求め、野党にも「共闘で獲得できた議席もある。これを第一歩に安倍政権の暴走を止めてほしい」と期待した。福岡市の飲食店経営、綱田尚貴さん(31)は北朝鮮の弾道ミサイル発射に触れ「国民の生活をしっかり守れる体制を作ってほしい」と改憲に期待する。

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