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島尻沖縄担当相が落選 衆参全6人が移設反対派

沖縄選挙区で支持を訴える島尻安伊子氏=那覇市で2016年6月22日、野田武撮影

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への県内移設問題を抱える沖縄選挙区(改選数1)は、移設に反対する翁長雄志(おなが・たけし)知事の全面支援を受けた無所属新人で元宜野湾市長の伊波(いは)洋一氏(64)が初当選し、自民現職で沖縄・北方担当相の島尻安伊子(あいこ)氏(51)の3選を阻んだ。10万票以上の差が付く大勝だった。

 2014年の知事選、同年の衆院選、今年6月の県議選、今参院選と全県レベルの選挙全てで移設反対派が勝利し、県民は「移設ノー」の強固な民意を政府に突きつけた。

 元米海兵隊員で軍属の男が女性殺害などの容疑で逮捕・起訴され、県民の反基地感情が高まる中で迎えた選挙戦。移設に反対する共産や社民、一部の保守系などが推した伊波氏は「反基地」を前面に打ち出した。

 支持者が集まった事務所に、伊波氏は「二人三脚」で選挙を戦った翁長氏とともに入場。当選を確実にすると、拍手が湧き、伊波氏は「辺野古新基地の断念を安倍政権に強く要求したい。国政の場で知事を支え、辺野古問題に終止符を打つ」と決意を語った。

 選対の筆頭共同代表で、バンザイの音頭を取った翁長氏は「一昨年の怒濤(どとう)のような(知事)選挙、県議選、総括としての参院選で沖縄の民意が示された。新辺野古基地は絶対に造らせない」と強調した。

 一方で島尻氏の事務所は重苦しい雰囲気に包まれた。落選が確実になると、島尻氏は「期待に応えられず、大変残念だ。最初から『波高し』と言われた選挙だった。基地問題のみではなく、暮らしが大事と訴えたが、浸透しなかった」と述べ、支持者とあいさつをかわすと、足早に事務所を立ち去った。

 選挙戦では辺野古移設にほとんど触れず、担当大臣として沖縄振興の実績を強調。しかし、移設に反対して政府と対決する翁長氏に支持が集まる中、移設を推進する内閣の一員の島尻氏への逆風は強かった。6年前は県外移設を主張して再選しながら、移設容認に転じた「公約違反」への批判も払拭(ふっしょく)できなかった。【川上珠実、比嘉洋】

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