オランダ・ハーグの常設仲裁裁判所は12日、南シナ海での領有権に関する中国の主張について、歴史的権利は認められないとの判断を下した。大国として国際的地位を高めたい中国は打撃を受けた。

  仲裁裁判所は「中国が当該海域およびその資源に対して独占的な権利を歴史的に行使していたという証拠は見当たらない」とし、従って中国の主張には法的根拠がないと結論付けた。

  この裁判は、中国の主張が国連海洋法条約に沿うものではないとしてフィリピンが起こした。裁判所は判断に拘束力があるとしているものの、強制する仕組みはない。中国は1947年の地図に記されているいわゆる『九段線』に基づいて、南シナ海の80%余りに自国の領有権が及ぶとしている。

  中国の軍当局は同国の海上の利権を「断固として防衛する」と表明。外務省は判決について、「無効であり拘束力はない」との声明を出した。

  王毅外相はそれでも、「国際秩序を構築し地域の平和を維持する国として中国は引き続き当事国間の2国間交渉によって平和的に対立を解消していく」と表明した。

  ローウィー国際政策研究所のディレクター、ユーアン・グレアム氏は「九段線内に歴史的権利を持つとした中国の主張を無視した判決で、中国にとっては大きな打撃だ」とコメントした。

原題:China No Historic Right to South China Sea Resources, Court Says(抜粋)
China’s Sea Claims Dashed by Court as Xi Suffers Prestige Blow (抜粋)