国民が葬った民主主義…改憲へ衆参独裁政権誕生の絶望<1>
■比例統一名簿に失敗した野党の致命的大失態
返す返すも悔やまれるのは、野党4党が比例区で統一名簿を作れなかったことだ。1人区で野党統一候補は11議席を獲得。特に東北地方は5勝1敗と共闘効果を発揮し、メディアの最終情勢調査を大きく覆すほど善戦しただけに、なおさら惜しまれる。比例区で野党票が分散した結果、自民党の比例獲得議席は19と、圧勝した前回の18議席を上回ってしまった。
「野党共闘が比例区でも実現していれば、自民党から少なくとも5、6議席を奪えたはず。確実に改憲勢力3分の2議席は阻止できました」(政治ジャーナリスト・鈴木哲夫氏)
政治評論家の野上忠興氏は「決断できなかった民進党の岡田代表の“オウンゴール”」と語ったが、まさにその通りだ。昨年夏の安保法の成立以降、憲法学者の小林節・慶大名誉教授らは野党の大同団結を呼びかけ、社民・生活も統一名簿実現に前向きだった。消極姿勢は民進だけで、小林教授はしびれを切らして「国民怒りの声」を立ち上げた後も「統一名簿が実現すれば、いつでも降りる」と強調していた。