高浜差し止め異議を認めず 大津地裁決定、関電は抗告へ
関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)の運転を差し止めた大津地裁の仮処分決定を不服として、関電が申し立てた異議について、大津地裁(山本善彦裁判長)は12日、異議を退け2基の運転禁止を維持する決定を出した。2基については法的に再稼働できない状態が続く。関電側は大阪高裁に抗告する方針。(28面に関連記事)
異議審は、仮処分を審理した山本裁判長が担当。3月の仮処分決定では、福島第1原発事故を踏まえた安全対策や、周辺自治体任せになっている避難計画のあり方に疑問を投げかけていた。今回の決定でも、「『想定を超える災害』と繰り返してきた過ちに真摯(しんし)に向き合えば、事故が生じる可能性を前提とし、致命的な状態を避ける対策が必要」と繰り返し強調し、関電の主張を退けた。
仮処分決定に対する関電側の執行停止の申し立てに続いて異議審でも勝利した住民側は、「司法が三度、国民の声に応えた」と評価。「福島第1原発事故の教訓に正面から学ぼうとした決定だ」との声明を出した。関電は「仮処分の決定が合理性を欠いていると丁寧に説明してきたが、当社の主張を理解いただけず、誠に遺憾」とのコメントを出した。
【 2016年07月12日 23時40分 】