蹴球探訪
奇跡の初優勝見えた レスター・岡崎が激白「試合後はいつも悔しい」(4月27日)
【ゴルフ】葭葉ルミがツアー初優勝2016年7月11日 紙面から
◇ニッポンハムレディス<最終日>▽10日、北海道北斗市・アンビックス函館C上磯GC(6362ヤード、パー72)▽曇り、21・8度、北西3メートル▽賞金総額1億円、優勝1800万円▽60選手(うちアマ2人)▽観衆2274人 1打差4位から出たプロ5年目の葭葉(よしば)ルミ(23)=富士住建=が3バーディー、ノーボギーの69で回り、混戦を抜けて逆転でツアー初優勝を飾った。通算8アンダー。伝統工芸・江戸切子職人を祖父に持つ女子ゴルフ界のホープが、函館でクリスタルトロフィーを胸に抱いた。2打差の通算6アンダー、2位に森田遥(19)、キム・ハヌル(韓国)ら6人が入った。初日から首位を走ったアマチュア・小祝さくら(18)=飛鳥未来高3年=は73と落とし、通算5アンダーで8位に終わった。 悲願のツアー初優勝を決定づける18番パー5のパーパット。1メートル弱と短かったが「けっこう嫌なラインだった」。しかし、葭葉の体内には幼いころからその目に焼き付けてきた“匠(たくみ)の集中力”が宿る。時間をかけず、よどみないストロークでパターにはじかれたボールは、すんなりとカップに沈んだ。 「絶対に優勝しよう、自分が絶対に勝つんだ。きょうはずっとそう思い続けてました」。後続の最終組が18番第3打を打ち終わった時点で優勝が決定。ふと、取り囲まれた景色の中に、ガラス工芸の江戸切子職人、祖父、若林幸男さん(84)の姿を見つけた。「全然知らなかった。来てくれてたなんて。でも本当にうれしかった。私をゴルフに導いてくれたおじいちゃんに初優勝を見せることができた」。繊細で高い集中力を要する伝統工芸士の技を、今も孫に見せ続けてくれる祖父だった。 「離れた場所から『やったよ〜』『おめでとう! よかったね』と手を振り合っただけなんですけど」と葭葉。一時は通算7アンダーに7人が並んだ大混戦。表彰式で大会初代覇者として函館五稜郭をイメージしたクリスタルトロフィーを受け取ると「すごく重くて。その時、あ〜、優勝ってこんなに重いものなんだなって思った」と話した。 朝、立ち寄ったコンビニエンスストアでくじ引きをしたら「3枚とも当たり!」。1番では「朝露で前組の選手のパットのラインがくっきりと残ってた」。自身のバーディーパットを導いてくれた。 今季第2戦で古傷の右足首付近を骨折したが、ツアー復帰10戦目での歓喜。「次の目標なんてまだ考えられませんが、近い将来、米ツアーに挑戦したいとは思ってます」。いつか江戸の魂をゴルフボールに乗せ、世界中に発信する。 (月橋文美) PR情報 |