時代の正体〈355〉神話に透ける戦前回帰

憲法考

  改憲勢力が3分の2に達する結果となった参院選から一夜明けた11日朝、駅頭で当選報告の朝立ちをする候補者の姿があった。自民党の三原じゅん子氏。100万票を得て堂々のトップ当選も、その口からはやはり「憲法」の2文字が有権者に向けて語られることはなかった。

 午前8時すぎ、JR関内駅北口。白のジャケットとスカート、紅色のブラウス、選挙中と同じ「日の丸カラー」のいでたちで人波に声を掛け続ける。

 「おはようございます」「行ってらっしゃいませ」

 通りゆく人の目を見ながらおじぎを繰り返し、視線が合えば笑みを作り、握手を求められれば、より深く頭を下げる。三原氏の折り目正しい所作は約50分続けられた。

 話を聞こうと記者たちが囲む。語られない理由が穏やかな口調ながら、不満とともに語られた。

 「改憲イコール9条改正と認識されているのが解せないと思っています。時代に合っていないのだから変えるのは当たり前。なぜこんなに大騒ぎをするのかなと思います。私は改憲のことは一切話さずに選挙を戦ってましたので、今回の選挙の争点が改憲だったとは思っていないということです」

 それでも憲法改正の国会発議が可能になったいま、3分の2のうちの一人である以上、聞かねばならない。

 三原氏が最優先に掲げるのは、災害時に国会議員の任期延長を認める項目の新設だという。現行憲法にも緊急時対応として参院の「緊急集会」が規定されているため新たな項目は不要との反論もあるが、自民党が憲法改正草案に明記した緊急事態条項の一項目だ。「選挙をやっている場合じゃないというときもある。9条だけでなく、こういう条項も加えないでいいんですかと知ってもらいたい。ただ、いまはまだ9条以外の問題を皆さんに知ってもらう段階。国民の理解を得ることが先なので、急いで進めるということではないと思います」
 

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