蹴球探訪
奇跡の初優勝見えた レスター・岡崎が激白「試合後はいつも悔しい」(4月27日)
【ゴルフ】谷原秀人、奇跡の逆転メジャー初V 2週連続、通算13勝目2016年7月11日 紙面から
◇日本プロ日清カップ<最終日>▽10日▽北海道安平町、北海道クラシックGC(7094ヤード、パー72)▽雨、気温19・6度、南西3・3メートル▽賞金総額1億5000万円、優勝3000万円▽63選手▽観客1940人 首位と3打差の2位で出た谷原秀人(37)=国際スポーツ振興協会=が通算22アンダーで並んだ武藤俊憲(38)とのプレーオフを制し、悲願の国内メジャー初制覇を果たした。9バーディー、ボギーなし、コースレコードタイの63で回り、2007年以来9年ぶり2度目の2週連続優勝、ツアー通算13勝目となった。残り3ホールで4打差を追いつく奇跡の逆転劇で、賞金ランキング1位(海外メジャー含む)に躍り出た。この勢いのまま、メジャー第3戦、全英オープン(14〜17日)に乗り込む。 起死回生のスーパーショットが激勝を呼び込んだ。プレーオフ1ホール目。谷原は1打目を右の林に打ち込んでも、堂々としていた。大きな木々が立ち並び、ラフは深い。ピンまでは残り240ヤード。入念に弾道をシミュレートした上で、選んだのは3番ウッドだった。 「それじゃないと届かない。最後は気合。絶対に勝ちたかった」。力を込めて、振り抜いた。うなりを上げた弾丸はグリーン脇まで運ばれ、大観衆は沸騰した。絶体絶命の危機を、ニヤリともせず絶好機にひっくり返した。勝敗を決する、意地の勝負手だった。 「めちゃくちゃうれしい。(大ファンである)カープじゃないけど、神懸かっているんじゃないですか」 息詰まるデッドヒート、バーディー合戦だった。武藤に出だしから5連続バーディーを奪われても、「絶対にあきらめない。楽には勝たせねーぞ、この野郎」と胸の内で燃えていた。 14番パー4。ドライバーで1オンを狙ったが、池に入れた。直後に雷雲接近で2度目の中断に。緊張を解いて力を抜き、1時間1分間、後輩の藤本佳則と談笑して待った。先月の全米オープンでは初日に3度の中断を経験し、「気持ちは(中断、再開も苦にしない)大ベテラン」とあっけらかん。ただ、競技が再開されると、その眼光は鋭かった。 そして再開後、残り110ヤードの第3打。52度のウエッジでピン右1メートルに寄せてパーを拾うと、「必死。意地でも食らいつく」と再点火。17番では「5発打っても1発も入らない」という快心のパットで7メートルを沈めた。勢い、流れは、追う側の谷原が握っていた。 3度目にして初のプレーオフを制し、2週連続優勝、国内メジャー初戴冠。さらに、日本人としては1年ぶりに賞金ランクのトップに立った。見据えるのは、次戦の全英オープンだ。「どれだけできるか、自分でも見てみたい」。おおらかで陽気な広島男。日本タイトルを手土産に、いざ、仁義なき世界との戦いに打って出る。 (松岡祐司) PR情報 |