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「3万円給付」というバラマキ

  北朝鮮による核実験の実施は、北東アジアの平和と安全への重大な挑戦です。わが国はこの蛮行を強く非難するとともに、国際社会と連携して断固たる対応をすべきです。

  さて、1月4日から通常国会が始まりました。当面の焦点は総額3兆3213億円の平成27年度補正予算案です。TPP交渉の大筋合意を受けた関連予算は、土地改良事業という公共事業や補助金が中心であるなど、今夏の参院選を意識した典型的なバラマキ予算です。

  次の選挙(ネクスト・エレクション)しか考えない議員を政治屋(ポリティシャン)と呼び、次の世代(ネクスト・ジェネレーション)のことを考える議員を政治家(ステイツマン)と呼びます。今般提出された補正予算案は、政治屋による選挙対策予算といっていいでしょう。税収が上振れして増えたならば、将来に備えて国債を思い切って減額すべきではないでしょうか。

  私が最も問題だと思っているのは、3600億円が計上された「年金生活者等給付金」です。対象は、住民税非課税世帯の65歳以上の高齢者1100万人。1人当たり3万円です。消費税を10%に引き上げた時の低所得者対策として、平成29年度から低年金受給者に対して月額5千円、年間6万円の給付金を支給することは、民・自・公の3党合意により既に決まっています。この制度の対象者は600万人です。なぜ対象者を倍近くに拡大した上で、一時金で前倒しするのでしょう。

  政府は、アベノミクスの成果の均てん(平等に利益を受ける)の観点から、賃金引き上げの恩恵が及びにくい低年金受給者に支援を行うと説明しています。しかし、アベノミクスの成果を実感していない人は、高齢者に限りません。働く世代にもたくさんいます。住民税非課税世帯を対象にするのであれば、働く世代と年金生活者を区別する理由はありません。

  一方で、おととし1人当たり1万円、昨年は3千円配られた「子育て世帯臨時特別給付金」は、財源難を理由に廃止されます。高齢者の投票率は高いけれど、子育て世代は選挙に行かないからなのでしょうか。 

  ちなみに、1人3万円、総額3600億円の年金受給者等給付金は、5月、6月に配られます。7月の参院選の直前です。国民の税金を使った露骨なバラマキ選挙対策です。候補者が選挙直前に現金を配れば、明らかに買収行為。公職選挙法違反です。しかし、時の政権が予算化してバラマキしても、違法にはなりません。政権与党を利する合法的買収が堂々と行われることになるのです。

  国民を馬鹿にしていませんか。なめていませんか。こんな愚民思想に基づく補正予算を、断じて成立させるわけにはいきません。

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