【トロント=小川義也】任天堂などが今月6日に米国などで先行配信を始めたスマートフォン(スマホ)ゲーム「ポケモンGO」の出足が好調だ。米国では米アップルが運営する「アップストア」でランキング1位を獲得。グーグルの基本ソフト(OS)「アンドロイド」を搭載した端末向けでは、1日あたりの利用者数がツイッターに迫るなど早くもブームになりつつある。
ポケモンGOはスマホに搭載された全地球測位システム(GPS)の位置情報を利用し、外出先でポケモンを捕まえるゲーム。任天堂とゲーム企画会社のポケモン、米グーグルから独立したゲームベンチャーのナイアンティックの3社が共同で開発した。米国とオーストラリア、ニュージーランドの3カ国のみで利用できるが、日本でも近く配信が始まる見通しだ。
米国ではアップストアに登場して以来、無料アプリと有料アプリを合わせた総合ランキングで1位を快走中。米調査会社シミラーウェブによると、米国のアンドロイド端末の利用者の間では、1日あたりの利用者数がツイッターを近く抜く勢いだという。
新たな収益源になるとの期待から、任天堂の株価は11日の東京株式市場で前週末比25%も急騰。値上がり率、売買代金ともに東証1部ランキングで首位に躍り出た。
急激な盛り上がりには戸惑いも広がっている。米国ではポケモンの生息地に設定され、プレーヤーが殺到したレストランが「お金を払うお客様以外は入店お断り」との貼り紙を掲載。ゲームに夢中になったプレーヤーが路上で転倒するなどしてケガをし、警察が注意を呼びかける事例も報告されている。
任天堂は手首に巻いたり、胸ポケットに装着したりする専用の小型機器「ポケモンGOプラス」を今月下旬に発売する予定。スマホを四六時中見ていなくても、ポケモンの生息地に近づくと光と振動で知らせてくれるため、こうした事故を減らせるとみている。