香川県民交通マナーを考える~事故が多い原因は、譲り合いの精神など、他人を思いやる交通マナーの欠如88.1%~

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 2012年の事。わたしはその日、自動車で片側二車線の交差点を右折しようと中心の前位置で待機していた。
 対向車線には一台軽自動車がいて、右左折合図のウィンカーは出ていない。
 行き違いで直進して交差点を通り過ぎようとしていた。
 「この車が通り過ぎれば、右折できそうやな」
 そう思った矢先、後ろから白いセダンがわたしの自動車の後ろにさっと着けると、そのまま私の右側をすり抜け、向かってくる対向車をかわし、加速し、あっという間に抜き去っていってしまっていったのだった。
 対向車の男性は驚いた表情でおののき、わたしも怒りと困惑から「なんしょんじゃ。むちゃくちゃな運転するな。ほんま。何考えとんじゃ。あほちゃうか!!」と車中大声で喚いた。
 一歩間違えれば、無謀運転をした本人だけでなく、対向車の男性やわたしも命も無かったかもしれないのだ。後になって更に背筋が凍る思いがした。
  


 2013年、香川県で人口10万人あたりの交通事故による死者数は全国でワーストNo.1だという。つまり、香川県で歩いたり自転車自動車に乗るなどして出かける事において、日本で一番危険な地域だということだ。
 今年1月〜4月までの4ヶ月の間で既に15人の方が亡くなり、3097人もの人が5月までに交通事故で怪我をしている。
 そのうち自動車運転手は5人亡くなっていて、シートベルトをしていれば助かっていたとされる人は3人とされている。5人とも非着用だった。シートベルトを締める習慣がきっちりあれば、3人は命を失う事はなかった……。そして、10人もの人が車に轢かれて亡くなってしまっている。
 少し不謹慎な比較をしてしまうが、2013年4月15日に起きたボストンマラソンでの無差別殺人事件による負傷者数は3名が死亡し、100人以上の方が怪我を負っている。この4ヶ月間ではあるが、香川県の交通事故による死傷者はこれを大きく上回っている。香川県でも何の前触れも無しに15人もの人が殺され、3097人もの人が怪我を負わされているのだ。交通事故は、テロ行為と言っても言い過ぎでないのではないだろうか。交通事故によって香川県内で多くの人が苦しく、悲しい思いをしている。




※2012年10月、香川県の交通安全意識等に関するアンケート調査集計結果http://www.pref.kagawa.jp/kocho/koutsuu_.pdf(P.4~5)によれば、

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内訳:全回答者数:219人:3個まで回答


選択肢回答者数構成比
子どもから運転者に至るまでの一貫した安全教育が不十分10648.4%
譲り合いの精神など、他人を思いやる交通マナーの欠如19388.1%
交通事故抑止のための広報活動が不十分2812.8%
交通事故を防止するための交通安全施設の整備が不十分10849.3%
交通事故を抑止する交通指導取締まりが不十分7835.6%
その他2511.4%

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内訳:交通マナーに要因があると答えた回答者:183人:3個まで回答



選択肢回答者数構成比
交差点付近でのウインカー点灯などの合図不履行、合図遅れ9853.6%
黄色信号で速度を落とさないで交差点に進入する。10959.6%
薄暮時にライトを点灯しない。1910.4%
狭い道を無謀な速度で運転する。6133.3%
車線変更を頻繁に行う。3418.6%
走行の障害となる迷惑駐車3217.5%
車間距離をあけないで運転する。3519.1%
渋滞道路で割り込みをさせてくれない。2212.0%
狭い道路で譲り合いをしない。2413.1%
チャイルドシートをしないで幼児を車に乗車させる。73.8%
シートベルトを着用しない。31.6%
携帯電話を使用しながらの運転8445.9%
その他73.8%



 2012年、10月の県政調査による香川県の交通安全意識等に関するアンケートによれば、香川県で交通事故(人身事故)が多い原因は?という問いかけに関して、香川県在住の人たち自身、88.1%が他人を思いやるマナーの欠如を上げている。
 特に目につく交通マナーの悪さは?では、1位、黄色信号で速度を落とさないで交差点に進入する。2位、交差点付近で合図不履行・合図の遅れ。3位、携帯電話を使用をしながらの運転。としている。
 香川県内に住む多くの人たちが、運転技術や道路環境面での難しさを上げるのではなく、他人を思いやる交通マナーの欠如を上げている。  
 おそらく欠けているのは、地域全体で町を住みやすくしたり、安全を大事にしたいと思ったり、公共性つまり、地域の協調性的なもの、共に生活を良くしようという心じゃないだろうか。
 そして、香川県民の個人主義というか、遅れをとるのが嫌いな部分(良くも悪くも負けず嫌い)、「へってこらい」「へって」=分からないようにズル(香川県民にとっての効率化)をする事が暗に賞賛されている、部分が大きいのではないだろうか。
 黄色信号で速度を落とさず交差点侵入=「信号で止まるのがはがいましい」
 交差点付近で合図不履行・合図の遅れ=「出す必要あるの?今横空いてるやん。わたし行くし」
 携帯電話を使用=「運転は退屈やし、時間もったいないやん。今は話ができる時間やんな。口は動かせるやろ」
といった声が聞こえてきそうな気がする。他人に負けないように、他を出し抜く。ルールを自分の都合のいいように解釈して進める。香川県民のわたしとしても、そんな気持ちがない訳ではない。しかし、本当にそれでいいのか?
 交通事故で多くの人が怪我をするような危険な地域で過ごすことは、運転をするたび嫌な気持ちになったり、車道脇の歩道を歩くたびに怖いと感じながら過ごすのは、実に寂しく、不幸で惨めな事じゃないか。
 周りの人が安心していられるように、黄色信号では速度を落として、しっかり赤信号で停止する。周囲に合図を送って車線変更や右左折をする。車は急に止まったり、曲がったり、するのが難しい。事故に繋がるから、「認知」「判断」「操作」を鈍らせないように運転にきちんと向き合う。大事なのは「当たり前」のこと。相手の身になってちょっと考えてみること。「効率化」の為に「当たり前」を失ってないだろうか。 
 もうすでに今年だけで自動車事故によって15人の人が殺されている。
 高齢者の事故死が多い事からも、高齢者に対して住みやすいとは決して言えない地域になってしまっている香川県
 びゅんびゅん走る道路の横側の歩道を歩いたりするのも怖くストレスを感じるし、生活圏で移動をするだけで、大怪我をしてしまったり、命の危険にさらされる可能性が大きい。そんな中、自分自身や家族の命を守れるのだろうか。わたしたちのそういった日々はとても苦痛で負担意外なにものでもない。

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(引用および参照文献)
D
香川安全リポート『今、香川の交通が危ない!』 《香川県
http://www.pref.kagawa.lg.jp/kocho/koho_tv/20130318.shtml

香川県の交通安全意識等に関するアンケート調査集計結果(平成24年度)p.4-5
http://www.pref.kagawa.jp/kocho/koutsuu_.pdf

香川県警察HP(県内の交通事故欄)

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うどん県民(香川県民のこと)のスポーツ(バスケ)を主に記事投稿。