自動運転車の高速走行時の安全性を確保するためには複数の検知システムが必要であり、赤外線を用いる高コストなレーザーレーダー技術「LIDAR」がその1つだ。自動車部品サプライヤーである独ZF Friedrichshafenのステファン・ソマーCEOは7月6日、そう語った。
この発言のちょうど1週間前には、米Tesla Motorsの2015年式「Model S」が自動運転モード「Autopilot」で走行中にトレーラーに衝突し、ドライバーが死亡するという事故が報告されている。Teslaの説明によると、Model Sの車載カメラはフロリダ州の強い日差しの下ではトレーラーの白い車体を認識することができなかったという。
「Teslaの事故については詳細を知らないのでコメントできない」。ソマー氏は、昨年ZFが買収した米TRWとの事業統合に関する記者会見でそう語った。
ただし同氏は、視覚信号だけに頼るカメラでは、高速走行中の自動運転車の安全確保には不十分だと指摘し、次のように語っている。
「自動運転には、核となる3つの技術が必要だ。画像処理カメラと短距離および長距離レーダー、LIDAR技術の3つだ」
LIDARはレーザーや赤外線を用いて、通常のカメラでは検知できない障害物の形状や位置を車載センサーで認識できるようにする技術。特に光が少ない状況で有効だという。
LIDAR技術は現在あまりにコストがかかるため、大量生産車には搭載できない。だが今後、この技術への投資が進むにつれ、規模の経済によってコストは対処可能な水準まで下がるだろうとソマー氏は語る。
現在、米Velodyneなどの企業がLIDAR技術を手がけている。
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