THAAD:反発する中国「韓国の友人たち、冷静に考えて」

中国外相が強硬発言「いかなる弁明も説得力ない」

 一方、民族主義傾向が強い環球時報は8日付社説で、「THAAD配備を積極的に推進した韓国政界関係者の中国入国を制限し、関連企業を制裁すべきだ」とした上で、「THAADに対抗する誘導弾を準備するなど、軍事的対応策を整え、中ロによる連携行動などを推進すべきだ」と主張した。環球時報のインターネット上での世論調査では、回答者の90%が韓国への制裁を支持した。

 鍵となるのは、習近平国家主席を含む中国最高指導部の判断だ。匿名の中国専門家は「習主席は数回にわたりTHAADに反対の意思を直接表明し、中国の核心的利益に関しては絶対に譲歩できないと述べている。国家的なメンツという意味でも、何事もなかったようにやり過ごすことはあり得ない」と指摘した。

 もう一つの不確定要素は中国の国民感情だ。中国のネットユーザーの間では、THAADの配備が決まった以上、韓流スターにこれ以上歓呼していてはならないという主張が見られる。中国の有名評論家、馬継華氏は「中国政府がたとえ目に見える制裁を取らなくても、愛国心が強い中国の若い世代はサムスン電子の製品を買わなくなるだろう」と主張した。

 反韓感情が広がれば、観光、貿易、ビザ発給などで不利益を当たるなど、経済的制裁が行われる可能性は否定できない。離於島(中国名・蘇岩礁)など韓中の利害関係が交錯する海域での軍艦や巡視船によるパトロール強化、THHADを標的にした戦略ミサイルの増強配備が予想されるほか、大規模な軍事演習が実施されるとの見方もある。

 一方、中国が行動を起こしたとしても、韓中関係の根幹を損ねることは避けるのではないかとの見方もある。中国人民大国際関係学院の金燦栄副院長は「韓国に罰則を適用しても、両国関係をあまりに遠ざけてはならない。韓米の密着を防ぐ一方、韓中を離間させようとする米国の陰謀に巻き込まれないためには、綿密な対策が求められる」と主張した。同大の時殷弘教授も「韓中の経済交流が相互の利益になるという現実があり、経済制裁など極端な措置は取られないのではないか」と語った。

北京=李吉星(イ・ギルソン)特派員
前のページ 1 | 2 次のページ
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) The Chosun Ilbo & Chosunonline.com>
関連ニュース