THAAD:反発する中国「韓国の友人たち、冷静に考えて」

中国外相が強硬発言「いかなる弁明も説得力ない」

 韓米が韓半島(朝鮮半島)に終末高高度防衛ミサイル(THAAD)の配備を決定したことについて、中国政府からは先週末に強硬な反対論が相次いだ。王毅外相は9日、「THAAD配備は韓半島の防衛の必要をはるかに超越するものだ。(THAADが中国を狙ったものではないという)いかなる弁明も説得力がない」と述べた。スリランカを訪問中の王外相が現地でメディアのインタビューに答えたもので、中国外務省は直ちにウェブサイトに内容を掲載した。

 王外相は「中国は米国が他国の不安定を足がかりに自国の安全を守ろうとすべきではなく、安全上の脅威を言い訳にして、他国の正当な安全上の利益を脅かすべきではない」と主張した。

 中国国防省は9日、楊宇軍報道官がTHAADに反対する声明を発表した。内容は「韓米両国の動きを緊密に注視している。中国は国家の戦略的安全と地域の戦略的均衡のために必要な措置を考慮していく」とするものだ。同声明は韓国時間の8日午後10時34分にウェブサイトに掲載された。北京の消息筋は「国防省が深夜に異例の声明を出すほど、中国政府に反発が強いことを示している」と分析した。

 中国はTHAAD配備に強硬に反対しながらも、韓国と米国への接し方には差をつけた。王外相が「韓国の友人たち」という表現を使ったことが好例だ。王外相は「韓国の友人にはTHAAD配備が本当に自国の安全と韓半島の平和と安定、核問題解決に役立つかどうかを冷静に考えてもらいたい」とした。韓中関係に詳しい消息筋は「友人たち」という表現について、「北朝鮮の核に対する怒りとTHAAD反対世論が共存する韓国の国内ムードを念頭に、『米国に対する不満の方が大きい』という点を表明したものだ」と指摘した。

 中国共産党機関紙、人民日報など公式メディアの多くも韓国に対する「報復」「制裁」といった極端な表現は避けた。人民日報は9日付社説で、「徳に頼れば栄え、力に頼れば滅ぶ」とし、米国を強く非難したが、韓国を直接批判することはなかった。

北京=李吉星(イ・ギルソン)特派員
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