【ソウル時事】参院選での与党勝利に対し、韓国では、昨年末の慰安婦問題をめぐる日韓合意後の関係改善の流れが続くとの見方が出ている。一方で安倍政権による憲法改正の観測も出ており、「韓日関係に波が押し寄せる可能性がある」(聯合ニュース)と動きを注視している。

 慰安婦合意以降、日韓関係は徐々に改善。韓国政府は地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の在韓米軍配備を決めるなど、北朝鮮の核・ミサイルの脅威に対抗する形で日米との連携も強化している。

 THAAD配備に中ロは反発。中国との関係が冷え込む可能性を考えれば、日韓合意を結んだ安倍政権の基盤強化につながる参院選の結果は、韓国側にもメリットが大きい。

 ただ、韓国世論に自衛隊への警戒心は強い上、「『普通の国』に向かう過程で中国が反発し、韓日関係も影響を受ける恐れがある」(聨合)。来年には韓国大統領選も控えており、与党勝利が日韓関係に与える影響は未知数だ。