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天覇鎮守府の日常。 作者:アポロライト天覇
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とある海域のど真ん中に大きいって言葉だけで表せないくらい巨大な島がある。
その島には中くらいの村がポツポツと何個かある。ここまではいいのだ。ここまでは。
島を一周すればわかるのだが、明らかに近代化した建造物が有る。
島の5分の3を占めるこの建造物の名は、
【天覇鎮守府】と呼ばれる、島を深海凄艦なる敵から護る『艦娘』達の本拠地である。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「提督ーーーっ!」
広い鎮守府の中に大きな声が響き渡る。
提督室のある3回の長い廊下をドタドタと
駆けまわるのは駆逐艦、島風である。
島風は【天覇提督の部屋】と書かれた看板
のある部屋を探してすごい速さで走り回っていた。
「どこだどこだどこだどこだどこだどこだどこだどこだどこだどこだどこだどこだどこだどこだどこだあった!!!」
島風は小さな砂煙を巻き上げながら急停止する。
「ここかっ!提督室!」
そう言うやいなや、ノックもせず提督室の立派なドアを勢い良く開く。
ドアを開けた先には、「罪」と書かれたマークの帽子をかぶる天覇鎮守府提督室の天覇と、数日後に悲劇に合う鶏鎮守府の鶏提督が紅茶を飲みながら談笑していた。
「で?鶏は何で行くの?」
天覇言う。
「んー、この前星5出たから試しに使ってみるー。あ、もじゃ提督貼って?」
「おk。任せろ」
いや、談笑なんてしてなかった。某引っ張りハンティングしている。
「提督!」
島風が叫ぶ。その声にやっと提督2人が島風の方を見る。
「あ、島風、どったの?」
天覇がどうでも良さそうに言う。引っ張り(ry)の方が大切なようだ。
「どったの?……じゃないです!なんで私も第二艦隊と一緒に遠征に行かせてくれなかったんですか!」
島風が駄々をこねる子供のように天覇に言う。
「え?いやお前小破してたじゃんダメに決まってるだろw」
天覇の言葉に鶏提督が反応する。
「ファッ!?天覇てめー前まで中破してても構わず出撃させてたじゃん!?どうした!?何があった!?」
鶏提督が天覇の肩をユサユサと揺らす。
「いや…前ちょっとね……」
天覇が悲しげな表情で呟く。
その表情を見て察した鶏提督が「ごめん」と返す。
そう、数日前、天覇提督が戦場に出た時、後方からの攻撃に倒れそうになった天覇を
天覇鎮守府の古参と言える軽巡洋艦、名取が庇い、そのまま名取は天覇に一言を告げてから天覇必死の応急処置も虚しく轟沈していった。
その海戦での失敗は天覇が艦娘をしっかり入渠していなかったこともあり、それからというもの、天覇は艦娘が傷つけば確実に癒えるように入渠させ、休養を取るように
したのだ。
元々成績が良い島風は、スピード出世で第二艦隊に配属されていたのだ。
「兎に角提督!まだ第二艦隊は出撃していません!私を出撃させてください!きっと役に立てます!疾いですし!」
島風が必死に天覇の気を変えようとしている途中で、天覇が黒い高級感あふれるソファーから立ち上がり、島風の肩を掴む。
「提督……?」
島風が天覇の目を見る。
「なぁ、島風、俺はもうあんな哀しい出来事を起こしたくないんだ。俺は島風がもし轟沈してしまえば……いや、この鎮守府に居る誰か一人轟沈すれば、俺はもう提督を辞めようと思ってる。」
天覇の決意を聞いて島風の目が大きく開く。
「俺はまだ提督を辞めたくない。分かってくれるか?」
島風が微かに震えながら小さく頷く。
「ありがとう」
天覇がニコッ。と笑う。
それを見た島風が頬を少し染める。
「分かったよ、提督。今日は休むね。でも、このキズが治ったらまた出撃させてね?」
島風が天覇に問うと、すぐに天覇が口を開く。
「あぁ。早く傷を癒やしてくれ。」
天覇がそう言うと、島風は静かに提督室を出て行った。
「お前……少し変わったな」
鶏提督が呟く。
「そうか?てかそれは俺を褒めてるのか?」
天覇がニヤニヤと鶏提督に尋ねる。
「ふふふふふ、そうしといてくれ」
「なッ!素直な鶏とかキモッ!?」
「なにおおおおおおお」
「やんのかゴラァあああ」
今日もまた、天覇鎮守府は平和なのでした。
あ、そういえば天覇と鶏のケンカが夜まで続いたのは言うまでもないですね。
どもども、アポロライト天覇です。
不定期で出すのでよろしくです。
あ、著作権とかでアウトだったら諦めますw

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