政府は11日午前、首相官邸で国家安全保障会議(NSC)を開き、治安が悪化する南スーダン情勢を協議した。菅義偉官房長官は記者会見で、在留邦人の退避のために航空自衛隊のC130輸送機の派遣を準備すると表明。中谷元・防衛相は国連平和維持活動(PKO)を展開している自衛隊がPKO協力法に基づき初めて陸上輸送を検討する考えを示した。
PKO法第3条に規定する業務で、3月末に施行した安全保障関連法とは関係ないが、実施すれば初めてのケースになる。航空自衛隊は輸送機C130を小牧基地(愛知県)から数日かけてジブチに派遣する予定だ。
菅氏は首都ジュバ市内で日本時間8日未明から政府軍と反政府勢力による銃撃戦が相次いでいるとして「邦人の安全確保を最優先するとの認識のもと、対応に万全を期す」と強調。現地で活動する国際協力機構(JICA)関係者47人をチャーター機で退避させる方針も示した。
防衛相は、現地に派遣している陸上自衛隊のPKO部隊が宿営地内にとどまり活動を中止していると明らかにした。「安全を優先し、冷静に対応するように指示している」と述べた。防衛省内で記者団に語った。
政府は、現地で活動中の陸上自衛隊員に異常がないことも確認した。現地の状況に関して菅氏は「自衛隊の活動地域でPKO法における武力紛争が発生したとは考えていない」との認識を表明。PKO参加5原則は崩れていないとして当面、自衛隊は撤退させない方針だ。
3月に施行した安全保障関連法では、PKOで離れた所で襲われた他国軍兵士や民間人を自衛隊が助ける「駆けつけ警護」が新たな任務として可能になったが、菅氏は「現状に鑑みて任務を付与することは想定していない」と述べた。