ハーメルン民の思ったこと   作:ビタミン
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番外続き

 『勘違いモノ』というジャンルは、いろいろな種類があります。
 しかし今現在の『勘違いモノ』をあえて大きく分けると、二つぐらいになるでしょうか。

(1)能力有り勘違い主人公

 <主人公能力無し・周囲勘違い>
 <主人公能力有り・周囲勘違い>

 マジで大ざっぱですが、これが『勘違いモノ』の大枠です。
 周囲が主人公を誤解して受け止め、ベクトルが善か惡かは別として高評価を下す。これが勘違いモノの基本の流れです。
 その為に、『周囲の勘違い』という要素は必要不可欠になるわけですが、主人公には違いがあります。
 それぞれ説明していきましょう。

 <主人公能力無し・周囲勘違い>
 主人公は「火を扱う」とか「超能力者」だといった直接的な能力の他、「策士」や「天才」とかそんな要素はなくただの人です。
全くの偶然や主人公の身の振る舞いによって、周囲が主人公に何か特別な能力や才能があるのだと勝手に誤解し、それが積み重なって空想の英雄が完成されていきます。

 <主人公能力有り・周囲勘違い>
 普通に主人公がその世界で最高クラスです。剣で大地を割り、魔法で世界を終わらせられます。チーターやチーター。
ただ性格が凡庸で、極めて平均的な思考をしています。もしくは能力に無自覚です。実は平然とすごいことをしているのに、本人に自覚が無かったりします。
能力的には凄いのに、中身が平凡。そのギャップを楽しみ見つつ、周囲が勝手に抱いた英雄像が肥大化していく形です。

 もしこのように分けたとして、ハーメルンではどちらの勘違いが人気でしょうか。
 私は<主人公能力有り・周囲勘違い>がハーメルンにおける主流だと思います。

 数年前は、後者は邪道扱いでした。
しかし今はその後者の勘違いが、ハーメルンにおける主流の勘違いになってます。
 そして、私のおススメも後者です。どちらも同じように思えますが、後者の方が書き手としては気持ちを楽に書いていけるはずです。

 どうして私はそう考えたのでしょうか?

(2)特徴的な主人公は難しい

 まず、精神的には平凡という設定はハーメルンで受け入れられやすいです。反対から考えていくと解りやすいです。

 特徴がある性格を持つ主人公というのは、それ自体で独自性が強い魅力あります。
 ですがそれを発揮するためには、『特徴ある主人公を引き立たせる舞台』が必要です。凄い主人公でも、それを引き立たせる魅力ある舞台装置がなければ陳腐に変わります。
 つまり『地の文』と言われる作者の表現力と、主人公を際立たせる展開が高いレベルで必要不可欠だと私は考えるのです。

 これすんげぇ難しいです。クロスオーバーが難しいのもこれがあります。
 魅力的なキャラを魅力的な作品にぶち込めばいいかと思えば、全然そんなことはありません。世界観が全く異なるそれぞれのキャラが、互いに整合性をもって魅力的に映える舞台を文字で表現することで作り上げる必要があります。

 自分で上手く書けたと思っていても、二年後に見たら汗たらたらなんて事になります。私はなりました死にたい。いや、投稿している時は舞い上がってますから解らないのですけど、いろいろ経験してまた別の視点に立った時に見ると、あれ?やばないと気がつくなんてある話です。
 そして改稿作業頑張るかと心機一転するものの、そもそも基盤事態が既にやべぇという事に気がついて真っ白になります。私です死にたい。

 つまり癖がある主人公を読者さんに受け入れてもらうのには、ものを表現し書く実力と、世界観を常に見失わず舞台を損なわない事、そしてかつその作品を投稿する場所での前回述べた『文章力』が必要になるのです。これが全部最大限必要になります。私はできません。

 これが出来てようやく作品に読者さんが入れ込んで酔ってくれます。世界観とキャラという二つの側面で酔わせないといけないので、かなり大変です。やれてる二次物書きさんは本当にすごいと思います。

(3)平凡性格勘違い主人公万歳

 精神的には平凡という設定はハーメルンで受け入れられやすいです。二回も言ってますが、書いていると本当にこれを実感できます。

 前項で最後に世界観とキャラの二つで酔わせないといけないと言いましたが、精神的に平凡な主人公で勘違い作品は、キャラだけに焦点をあてればいいので楽です。
主人公と周囲というキャラ性だけで成り立ち、それがひいては世界観に置き換わるわけです。

 加えて自分たちと近い精神性なので、読者は同調しやすく、主人公に入れ込みやすいのです。

 特徴ある主人公は自分と重ねられないので、どうしても一歩引いた位置で読者は見てしまいます。そうなるとある問題が起きます。それは読者がキャラ以外の要素に目を向けていくのです。

 所謂『文章力』の乏しさであったり、設定の矛盾であったり、表現のおかしさであったり。

 勿論そのような面を見る能力が高く、酔わないで楽しむ読者層もいますから、前回の話で述べた通り最低限の書き方は必要です。ですがあまり見られたくないでしょう。だって「冷静に考えたらおかしくね?」なんて読者さんに疑問に覚えられたら大変です。

 話の整合性に必死になり、自分が書きたい展開が書けず、対応ばかりに追われてしまって、最終的には俺これが書きたかったのかと、自分の作品なのに疑問に感じて書けなくなりますから。対応しなくていいと割りきったって、しこりは残ります。それが肥大化して自分も気がつかないうちに作品が変わっており、読者が離れて行きより批判を呼ぶなんてこともあるのです。書き手も人間なので、そうなると辛いです。

 元々二次創作は妄想と可能性から始まり、楽しさを追及するものです。自身のネバーランドで「魔法なんて実際は無い、妖精なんていやしないぞ」なんて言われたら、ピーターパンだって空も飛べなくなります。変な譬えかもしれませんが、これで読者さんに作者が撃ち落とされる事はあるのではないのでしょうか。

 だからできる限り読者さんには自分の二次創作の世界で酔ってもらった方が良いのです。

 二次創作で矛盾が生まれるのは当たり前です。だって二次ですから。原点ではなくIF、妄想から始まり妄想で終わる。自分の趣向を楽しんでもらいたい、そこに浸りたいという想いが私は根底にあります。だからこそ自分のネバーランドを書き綴るためにも、読者さんには疑問を感じ辛い、ぐでぐでの楽しい酔っ払い状態でいてもらった方がいいです。我ながら酷いこと書いてるなこれ。でもWINWINだと思います。

 グダグダと長く書きましたが、要するに。
主人公に読者さんが入れ込むことは、話の矛盾や表現の甘さから目を逸らすことに繋がります。そして自分が気持ちいいように書きやすい環境が生まれます。

だからこそ平凡系精神主人公は、ただそれだけでハーメルンでは利点です。読者も妄想して自分と主人公を重ねやすく、書き手も気持ちよく書いていく事ができます。

(4)能力有り勘違い主人公のはすごい

 能力ありと能力無し、この差は極めて大きいものです。本当に大きい。

 読者さんが主人公に共感し、自分を重ねてくれたらそれは作者として至上の喜びでしょう。ならさらにドンドン読者さんの感性を主人公に重ねていってもらいたい。
 そしたら普通なら「え?」ってなる展開も勢いとノリで押し切れますからッ!

 ここで能力有り勘違いはさらに一押しできます。

 二次創作を見る人は、妄想と冒険心に富んでいると思います。そのベクトルが負の方向か、正の方向かでよく問題になりますが、私は自身の利益になればどっちでもいい気がします。

 人間には特別になりたいという感情があります。
 特に空想の作品の妄想をわざわざ見てくれている読者さんなわけですから、特別なものを見たいという気持ちはどこかしらにあり、そしてそれは特殊だと書いていて感じます。

 そんな彼らが主人公を認めたとき、開ける世界に清涼の風を吹かせるのが「しゅじんこうつよい」です。
 自分が共感できるキャラが、自分がもしできたらという可能性を行ってくれる。それも強い、認められる、カッコいいの三拍子で。自分の気持ちを二次創作に重ねられる人にとっては最高でしょう。ワクワクしてくるはずです。

 別にこれは二次創作に限らず、ワンピースやブリーチでも変わらない話です。共感できねぇキャラがイチャこらしようが、戦おうが、全く応援できないしドキドキしません。何を人前でやってんだこいつらで終わります。
 しかし自分が共感し、こころのどこかを重ねられるからこそ、「命を刈り取る形をしているだろう?」とかのセリフで感動できるのです。

 さて、話は戻って「しゅじんこうつよい」ですが、自分を投影できる共感できるキャラが強かったら魅力的なら普通に嬉しいのが人の心。
 強い力を奮い、そして驚かれ認められ、受け入れられる。読者さんはまるで自分がその作品の中にいるような感覚すら読んでいる時は覚えてくれます。

 書いている事は大袈裟です。
 でも没頭させる、気がついたら最後まで読み終わっていた、続きが読みたいという流れの中にある感情を私はこう考えているだけっていう話なので、話半分に見ましょう。私は今見直していてうさんくせぇと思いました。

 またまた話を戻して、言ってしまえばこれは洗脳みたいなものです。書き手はある程度手順を踏んで読者さんを充足させていけば、軽い思考の操作を行なうことが可能です。

 見る側は初めてその作品に触れるとき、特に何も考えていません。「お……?」ぐらいな淡白な感情です。
 そこに題名であったり、タグであったり、作品説明であったり、赤評価であったりで「安心」させて引き込む。そしてこういう要素を作品に散りばめて共感性を高いものとして、読者にお気に入りに登録させる。それが目標なわけです。

 この「しゅじんこうつよい」は作品に対して共感性を抱いた読者に、非常に大きな効力を発揮します。作品の周囲のキャラに対して「お前らはわからないだろう」という神の視点による充足感、そして「しゅじんこうつよい」という清涼感というかスッキリとした充足感を感じるのです。

 能力無しは、勘違いとして同じ展開が続きやすく分りやすい飽きを感じやすいのです。
 同じ味ばっかり食べてたら飽きます。二次創作でも同じです。人間は刺激が欲しいのです。しかし過度で何回も刺激をやってれば嫌気が差すものですが、このように少しでも多くの違和感を抱かせない要素を用意し、適切に味の違う場面と展開をバランスよく文字で表現していけばいいのです。

 ずっと重い内容、軽い内容よりも緩急をつけた方が良い、そう私が前話で言ったのはこのように考えているからです。

 これらを組み合わせると、勘違いは他のジャンルと比べて読者さんを満足させ、ドキドキさせる幅が本当に大きいのです。妄想したい人達を取り込むのに、こんなに妄想しやすいジャンルは無いと私は思います。
 あくまでジャンルにおいてずば抜けているというだけで、勘違いモノ至上主義であるとか勿論思ってないです。作者さんの腕次第で、もちろん他のジャンルでも行けます。大丈夫です。ただどれを選ぶのかと言ったら、勘違いモノがお勧めだなと私は思います。

 あれ、なんか気がついたら勘違いモノだけで終わってました。そしてもう疲れたので止めます。
 次こそランキング云々と、一話目で放り出したことを大ざっぱに拾っていこうかなと思います。


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