北朝鮮 米の制裁撤回拒否などでさらに反発も

北朝鮮 米の制裁撤回拒否などでさらに反発も
k10010587981_201607082145_201607082212.mp4
北朝鮮では、キム・イルソン(金日成)主席の命日の8日、キム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長による権力の世襲の正統性を誇示する一方、アメリカに対し、初めてキム委員長が対象となった制裁の撤回を要求しました。北朝鮮指導部は、アメリカが制裁の撤回を拒否するとともに、最新の迎撃ミサイルシステムの韓国への配備を決定したことで、さらに反発するとみられます。
北朝鮮のキム・イルソン主席が死去してから8日で22年となり、首都ピョンヤンでは、大勢の市民が、キム主席の銅像が立つ丘に集まり、花を手向けました。
また、北朝鮮の国営メディアは、キム・ジョンウン朝鮮労働党委員長が、祖父のキム主席の遺体が安置されている宮殿を訪れ、敬意を表したと伝えました。その際、キム委員長は、ことし5月の党大会で選出された側近の副委員長9人を同行し、3代にわたる権力の世襲の正統性を誇示しました。
一方で、北朝鮮は8日、外務省声明を発表し、アメリカに対して、初めてキム委員長が対象となった制裁の撤回を要求し、「撤回しなければ、両国間のすべての外交ルートを遮断する」と強くけん制しました。
しかし、アメリカは、制裁の撤回を拒否するとともに、北朝鮮の脅威に対応するため最新の迎撃ミサイルシステム「THAAD」の韓国への配備を最終的に決定し、これを受けて北朝鮮指導部は今後、さらに反発するとみられます。